第58話 実験
武神様に眠らされて、ぽいっとされたままのレイさん。(外身は)お年頃の美女なのに⋯
『レ、レイさん?大丈夫ですか?』ゆさゆさ
『レイさん、生きてますか?』つんつん
エルフ姉妹がレイさんを起こそうとしています。
『う、う~ん⋯』
『『あ、レイさん、起きた?』』
え?起きた?
『私、どうしてたのかしら?』
なんで外で寝てるのかしら?
『ん?気がついたか?レイ。まったく、人騒がせなやつだな』
『料理長?』
『『よいしょっ』』
あら、エルフちゃんたち、ありがとう。それで、どうしてこうなったのかしら?
〖覚えてないの?魔力循環の練習をして、その後、訓練の為にからの魔石を出したら⋯〗
魔石?あ、そういえば
『ついつい楽しくなって色々したような?』
〖〖その通りよ〗〗
〖中々面白いものですね。これとこれは何ですか?〗
え?なんだっけ?
〖覚えてないのですか?〗
『お主、危険すぎるのじゃ⋯』
ええと?なんだっけ?⋯そうだっ
『何かあった時に逃げる手段があるといいなと思って、爆竹もどきと、煙幕もどきを?』
〖〖ばくちく?〗〗
〖煙幕⋯は、煙ですよね?ばくちくとはこちらの?〗
工芸神様が見せた石
『そう。それです。煙で目くらましして、ちょっとした火と爆音、とりあえず雷にしてみたんだけどね、バチバチと』
しーん⋯
『え?なに?なんで静か?』
くるっ こそこそ
〖ねぇ、レイさんのちょっとしたって、どの位だと思う~?〗
『ちょっと、ではないことは確かでは?』
〖〖〖うんうん〗〗〗
『妾の庭の近くではやめて欲しいのじゃ~』
『まあ、間違いなく被害出るよな?』
〖だが城の中でやっても城壊れるかもしれんぞ。だったらここで主神が結界張った中で試してみたらどうだ?厳重に!〗
〖まあ、やるけど、僕まだ本調子じゃないよ~〗
〖私も重ねがけするわよ〗
〖まあ、一度試さないと調整すら出来ないですからね〗
〖だよね~〗
〖じゃあ⋯〗
『待ってたもっ、ほんとにほんとに大丈夫なのかの?妾の庭に何かあったら~っ』うるうる
〖仕方ない。俺も重ねがけするか⋯〗
『うぐぐっ何かあったら直してもらうからのっ』
〖分かったよ~〗
神様たち、何気に酷い内容の密談⋯
そういうことで⋯
〖レイさん、これ、試してみていいかな?〗
『いいですけど⋯』
何か滅茶苦茶、危険物扱いされてるようなんですけど?
『ような、ではないのじゃ。レイは、もっと自分を知るべきなのじゃ』ぼそっ
『え?』
天界樹様がやさぐれてる?
〖それじゃあ、時間をずらして割れるようにして〗
工芸神様が地面に何やら魔法陣を描いて、その上に魔石を二つセット。して、ダッシュ!
〖じゃあ、結界!〗
〖では、3、2、1〗
ぼんっぼんっ!
〖〖〖え?〗〗〗
『あらあらまあまあ?おかしいわね?煙幕なはずなのに爆発?』こてん
『レレ、レイ、もう一つは?』
『え?ちょっと爆発するかも?』
『ヒイッ!』
〖〖〖け、結界結界!〗〗〗
ドカンっ!バチバチバチっ!ピシャンピシャンっ!
『ヒイイッ』ふぅっ
『『ああっ天界樹様っ』』
倒れた天界樹様をエルフ姉妹が受け止めた!
『あ、あらあらまあまあ?爆竹ってこんなだったかしら?』たら~
おかしいわね?脅す位のつもりだったんだけど?
ドカーンっ!バチバチバチバチッ!パシーンっ!
〖あはは、絶対、殺傷能力あるよね~?〗
〖痺れますかね?〗
〖いや、焦げるんじゃねぇか?〗
『両方では?』
〖〖あ、あはは⋯〗〗
神様たち、おめ目死んでるよ⋯
『レイ、お前、絶対一人で魔法使うなよ!俺はまだ死にたくないぞ』
料理長、そこまで言う?冗談言わな⋯
〖冗談じゃないわね〗
〖ですわね〗
〖レイさん、これ、魔力操作完璧にするまで禁止ね~〗ヒクヒク
『はい⋯』
分かりました⋯ごめんなさい。
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