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第56話 手紙2

エルフの族長の奥方からの手紙を読んでママは⋯

近所?何だか胸騒ぎがするねぇ⋯
まあ、面倒は主に任せるに限るね

つんつんっ
『ん?』
ひっぱられたかい?
「まま?ちんぱい?」
おやまぁ、ちょっと考えてたら心配させちまったかねぇ
『嬢ちゃん、何でもないよ。それより、後でもらった洋服に着替えて、礼をしなきゃねぇ。下着の分も』ニヤ
「ふに?あい!」

うんうん。簡単で可愛いねぇ。
最後に白騎士団をわざとちろりと見ながら一言加えてやれば、案の定

『『『し、下着?』』』わたわた

くくくっ、しばらく退屈しなさそうだねぇ
こっちも単純、いや純情かい?

『あら、あの奥さん、やっぱり中々出来るわね』ひょい
神樹の精様が後ろから手紙を覗き込んで、やっぱりニヤニヤしてるね。

『そうみたいだねぇ。さあ、早いとこ飯にしようじゃないか。ほら、あんたらも手を洗っといで。小さな子がいるんだ。そういうことは、きちんとしてもらうよ』

『『『は、はい!』』』
ぱたぱたぱた

白騎士団の三人に手を洗いに行かせ、ついでに配膳も手伝わせる

何度か往復する間に手紙二通を主にも渡したし、今頃神様と読んでいるだろ。さて、団長の手紙は何が書いてあるのかねぇ?


その手紙を、今まさに読み返しているセイジュウロウ様。と、神様。

『う~ん、村のあった場所は捨てるのか?』
〖う~ん、狩りはあの場所でもするのかな?〗
『しますね。あの辺は食用になる魔物が比較的多く出ますから』
〖ならさ、更地にして狩りをする時の小屋でも整備したらどう?ほら、ギルドを設立する予定なんだから、依頼を受けた子達ようにあってもいいんじゃないかな〗
『なるほど、避難小屋にもなりますしね』
〖需要があるようなら、宿屋にしちゃうとか?〗
『そうですね。提案してみましょう』

何やら二人で話し合ってます。あの場所とは

『まあ、今まで散々辛い思いをしてきた場所でしょうから、子供たちのためにも、あの場所から離れたいと考えるのは理解できますね』

やはり、エルフのケバケバな城があった場所のことらしい。

〖そうだね~それに僕らがけっこうハチャメチャにしたしね。何もしなくてもほぼ更地?ただ、加護が増えた子たちの家はだいたい無事だと思うんだけどな〗
『ああ、それで今回お下がりを頂けたのですね。後でお礼をしないと』
〖ふふ、でも、この近くに家族で越して来たいだなんて。まあ、神樹もこちらの方が近いしね〗
『私は静かなこの屋敷が気に入ってるんですけど、せめてこの屋敷から見えない距離ぐらいにして欲しいですね』
〖静か?今だってけっこう賑やかだと思うけど?〗くすくす
『家妖精たちはかわいいものですよ。煩わしいのは人付き合いです』
〖でもほら、煩わしいのは消えたわけだから。それにあの子に歳の近いお友達ができるのはいいことじゃないかな?〗
『そりゃそうですけど、男がいるんですよね?あの子に悪い虫は要らないんですが』ふんっ
パパ、今から心配⋯いや、ヤキモチ?

〖あはははっ悪い虫って、もう娘を嫁に出す父親の心境?いくらなんでも早くない?まだ二歳だよ?〗
『何を言ってるんですか!あんなに可愛いんですよ?きっと一瞬で落としますよ!』ぎゃんぎゃんっ
〖ええ~?〗くすくす

どうやら、やっぱり族長一家がこちらに集落を移したいから許可が欲しいと手紙にあったようだ。

『それにしても、目を覚ましてからのあの子は、ずいぶんと素直になったというか、どこか一線引かれていたものが取り払われたというか』
〖うん。抱きついたりすることに遠慮や照れが無くなったよね〗
『やはりそうですよね。辛い記憶はやはり消えたのですか?』
〖そうだね~消えたというか、こういうことはされたら嫌だし、人にしちゃいけないんだって言う知識として残ってはいるんだ〗
『まあ、たしかに。それが無ければ、もし同じような事になった時、身を守れませんからね』
〖そうなんだよ。難しいとこだけどね。まあ、今のあの子はそれ以外はただの二歳児だから、楽しいことたくさん覚えないとね〗
『タダでは無いですよ。料理と土いじりが好きな魔法幼女です』
〖本当だ!ただの、ではないね〗ふふ

そんな訳で、どうやらこれからますます賑やかになりそうです。

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お読みいただきありがとうございます。もう、月火水曜日は特に定時はむりみたいです。すみません。

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