第55話 手紙
みんなでワイワイ。ごはんを作って、さあ運んでご飯だ!と、思っていたら
タタタタタッ
「う?」
なんか走って来る音が?
タタタタタッ
『『『ただいま戻りました』』』
あ、白騎士さんのお兄ちゃん達だ~
「にーたん、おかいり~♪」にぱぁっ
いなかったの知らなかったけど!ラジオ体操の時いたよね?
『『『はうっ』』』ズキュン
『『『た、ただいま』』』
「あい!」
なんで胸押さえてるのかな?
『あんたら、毎回撃ち抜かれてたらいつか死ぬよ⋯』
ママが呆れるけど
『『『本望です!』』』
『そうかい⋯(それもどうなんだい?)』
「う?」
どういうこと?
『女の子に免疫ないからってこんな小さい子に⋯いやぁね~』ぷふっ
まぁまが揶揄うと
『そ、そういうことではっ』
『そ、そうですよ!妹のようにですねっ』
『そ、そうです!俺たちは普通に大人の女性が好きです!』
顔を真っ赤にして必死に返してきた!
『真面目かい⋯(春は遠そうだねぇ)』
『あははは 分かってるわよ』
わあ、まぁま遊んでる~
『それで、何背負ってるんだい?』
「う?」
ほんとだ。背中に何か背負ってる。風呂敷?
『あ、そうでした。団ちょ、違いますね、族長の所に急ぎ行ってきました』
『様子を見に行ったのと、ここでの事のご報告ですね』
『それから、これを譲ってもらってきたんです』どさっ
そう言って、にーたんたちが見せてるくれたのは
『洋服?しかも、子供用?』
『布もあるねぇ』
まぁまとママが風呂敷の中身を手に取りながら確認してます。
『えっと、この子は昨日来たばかりで、その』
『服が無いと聞いたので、族長のお子さんの昔の洋服がないか聞きに行ったんです』
『そうしましたら、お古だけどと言って、こちらを持たせてくれまして、布も良かったら使って欲しいと』
なんか、照れ照れしながら説明してくれてます。
『おや、この短い時間で往復してくれたのかい?悪いねぇ。疲れたろ?麦茶でも⋯』
『麦茶ですーっ』
『どうぞですーっ』
『ジュースの方がいいです?』
『『『ありがとう』』』
『麦茶で大丈夫です』
『『『はいなのです!』』』
『おやチビたち、気が利くねぇ』
『女の子のために頑張ってくれたです!』
『お茶くらい出さなきゃなのです!』
『ありがとうなのです!』
えっへん!
「ふおお?」
おようふく?走ってくれたの?
「おにーたん、ありがちょう!」にぱあっぎゅう
『『『はうっ』』』ずきゅんっ
『『『どど、どういたしまして』』』どきどき
「う?」
三人、順番にぎゅうしたら、お膝ついてお馬さんみたいになっちゃったよ?
「まぁま?おうましゃんごっこ?」こてん
『大丈夫だからそっとしておいてあげましょう⋯』ひょい
「あい?」
まぁまが抱っこして、なでなでしてくれるけど、よく分かりません。
『あんたら、そろそろ慣れなよ⋯ん?』
手紙?何なに?あ、新族長と、奥方から?
新族長の手紙は主に渡そうかね。奥方の方は、今読んでいいって私の勘が言ってるね。
カサカサ
《神様、神樹の精様、カミシロ家の皆様。私共をお救いいただきありがとうございます。後日、改めてお礼に伺わせて頂きます。さて、そちらにお邪魔しております白騎士団の三人から、二歳の女の子のお洋服が至急必要と聞きしました。何やら真っ赤になって話すので要領を得ず、取り急ぎ娘の小さい頃の服を持たせました。ただ、この位で既にシドロモドロの子たちに下着の話など出せるはずもなく、この手紙と共にこっそり入れさせていただきました。こちらは未使用ですのでご安心くださいませ。何か必要なものがございましたら、どうぞ、お声掛けください。子供たちも女の子と会えるのを楽しみにしております。仲良くしていただけると嬉しいです。これからご近所になりますので、よろしくお願い致します》
ふふ、さすがだね奥方。下着⋯うん。口に出すのも無理だろねぇ。⋯ん?最後、ご近所ってなんだい?
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。昨日は更新出来ずすみません。
『転生初日に~』の番外編は更新しましたので、よろしかったらそちらもお願いしますm(_ _)m