第23話 名前問題
急遽浮上したお名前問題。
『あら?でもこの世界、名前ない人が多いんじゃないの?』
〖そうなんだけどね?冒険者ギルドって言うところで仕事を貰うのに不便だからという理由で、そこでつけたりする人が多いみたいなんだ。あと、パーティー名とかね〗
『なるほどね。じゃあ、エルフさんたちも名前が必要になるのね』
〖そうなるね〗
というわけで、まさか自分で自分の名前を決めることになるなんて!うふふ♪
『其方、何やら浮かれすぎでないかえ?』じとー
『え?あらあらまあまあ?そんなことは?おほほほほ』
そんなに浮かれてたかしら?やぁね~
〖ああ、そう言えば前言ってたわよね?確か⋯〗
魔神様は思い出した。以前おばあちゃんが言ってたことを⋯
『ふふ。あのね?私の「キヨ」って名前はカタカナという字で漢字ではないの。それがなんだか、子供の頃からおばあちゃんみたいな気がしてね?せめて「清」とか「聖」って漢字を使うか、カタカナでもせめてもう一文字足してくれれば良かったのに!って思ってたのね?キヨラとか、キヨカとか、響きがかわいいでしょ?だから、子供には可愛い名前を付けたかったのに、生まれてきたのは男の子だったでしょ?それならって可愛い孫の名前たくさんたくさん考えてたのに!付けられなくて!だから、今度こそ絶対!孫みたいに可愛い名前が欲しいのよーっ!』ドッパーン!
ぶるっ
そうだった⋯並々ならぬ圧力⋯迫力があったんだったわ。これは、迂闊なことは言えないわッ
ゼッタイ、チヲミル
ぶるぶる
〖魔神ちゃん?〗
震えてる魔神様に気づいた主神様が魔神様の顔を見ると⋯
ぎょっ
〖ど、どうしたの?〗
顔面蒼白⋯
〖しゅ、主神、これは、命懸けのミッションかもしれないわよ?〗ギギギ
〖ええ?〗
〖お、お母様?〗
『魔神様?どういうことかえ?』
こ、これは共有しなければいけない情報よね⋯ダラダラ
嫌だわ変な汗が~
こそこそ
〖そ、そう言えばそんなことがあったね〗
〖愛し子は何度もダメだしされてましたね〗
『そうなのかえ?』
〖ええ。震えながら考えてたわよね〗
『そ、そこまでかえ?』
〖だから絶対下手なこと言っちゃダメよ。特に⋯〗
〖聖域にいるのがクマなんだから、くま子と⋯かはっ〗
ドッカーンッ!
〖お、おい?武神?〗
〖おや、飛んでいきましたね〗
〖突き刺さってますね〗
『迂闊ですねぇ』
〖クマ絡みでつけようものならああなるわよ〗
〖う、うん〗
〖そうですね〗
『よ、よく分かったのじゃ』
がくぶるがくぶる
〖ね、ねえ?どんな名前がいいの?〗
思い切って魔神様が聞くと
『え?それはやっぱり可愛い名前じゃないとね!あと、孫が呼びやすい名前で、間違っても、くま美とか、くま子とか、くま代とかは無しでね。あ、あと、キヨも無しね』うふ、うふふふ
〖わ、分かったわ、可愛い名前ね〗
〖ど、どんなのがいいかな?〗
〖そ、そうですね〗
『みんなで考えようかの』
みんな、頑張りましょう!血を見ないように!
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