第12話 運命の日
本日2話目です。
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あの子が五歳になってしばらく経った頃⋯事件は起こった
〖⋯不幸を望むヤツが、痺れを切らしたんだよ。彼女を操って⋯〗
そう。あの日は
「おばあちゃん、もーもーにょおいちゃん、くりゅ?」
『そうねぇ。今日はご用事があってお出かけするけど、後でお土産持って来てくれるって言ってたわよ』
「おみあげ!」
『お・み・や・げ、ね』
「おみあ⋯や~げ!」
『あらあらまあまあ、まあ、いいかしら?』くすくす
いつも通りなはずだったのに
ガサガサっ
『あら?もう帰ってきたのかしら?』
「かしりゃ?」
でも、出てきたのは
『見つけた⋯お前が、お前がいるから』ギラリ
『なっ⋯!』ぎゅっ
あの女はっ⋯
「おばあちゃん?」
『お前がいるから、私は幸せになれない!お前さえいなければっ』ダダダッ
『危ない!』
ドスッ
『ぐっ』
「おばあちゃ?おばあちゃんっ」
『邪魔だあっ』
ドスッドスッ
『ぐっ⋯かはっ』ぐぐ
「⋯⋯キャーッ」
この子は、この子は死なせない。神様、この子を守って⋯ああ、目が霞む⋯私は、このまま⋯?
『⋯さんっ!嬢ちゃん!⋯このっ』
『邪魔をするなあああっ』
グサッ
『ぐっ⋯この、ヤロウ!』ガッ!
『ぎゃあっ』
ドサッ
源さん⋯ごめんなさい。巻きこんで⋯
ごめんね、おばあちゃん、あなたをもう、守れない⋯
『⋯さんっ!』
そして、私は⋯
〖そう。貴方はお孫さんを守って亡くなってしまった〗
『すまぬ、すまぬ⋯うっうっ』ぎゅう
『あなた方のせいではありませんよ』
私が油断していたから、幸せだったから
『其方のせいでもないのじゃっ』
〖そうだよ。一番悪いのは命をおもちゃにしたヤツと、止められなかった我々だよ〗
いいえ⋯私が。でも、今は
『それで、その後はどうなったのですか?』
あの子は?ゲンさんは?
〖⋯辛い話になるよ。聞くかい?〗
『はい。お願いします』
私が聞かないと
ふぅ~
〖分かったよ。あの後、源さんは刺されながらも彼女を押さえつけ、警察というのを呼んだそうだよ。でも、そのまま数日起きれなかったらしくてね。その間に愛し子は施設という所に送られ、彼女は今度こそ逮捕されたそうだ〗
『そうですか。酷い怪我をさせてしまったのね』
源さん、ごめんなさい
〖それでね、入院してる間に貴方の家の取り壊しも決まってしまったそうでね。『せめてこれだけでも』って、忍び込んで色々持ち出してくれたんだよ。あの子も引き取りたいッて頑張ったそうだけど叶わなかったんだそうだ〗
『源さん⋯』
無茶をして⋯ありがとうございます
『あの子は?』
最後に見たあの子の目は⋯
〖施設とかいうところに送られたあと、すっかり感情を無くしたらしくてね。喋らない、表情も変わらない〗
やっぱり。最初に出会った時の目だった
〖それで、施設で孤立し、八歳の時に酷い怪我を負わされてね。寝たきりのまま二年後に亡くなったんだ〗
『⋯⋯っ』つー
また涙が⋯私には泣く権利はないのに
『⋯そんなことはないのじゃ。資格なら誰よりもあるのじゃ』
〖それでね。その亡くなった時にようやく愛し子を見つけてね〗
『え?』
見つけた?
〖そう。ようやくだよ。十年かかってしまった〗
『ヤツはまた愛し子の魂を弄ぼうとしておったのじゃ。それを寸でのところで主神様が救い出してくれたのじゃよ』
『あ⋯』
本当に?
〖とはいえ、ごめんね。完全にはヤツを退けられなかったんだ〗
『それは仕方ないのじゃ!愛し子を守りながらではっ』
〖でも、ヤツは必ずまた愛し子を狙ってくるよ。気に入ったおもちゃを壊すために〗
『なっ、何ですって?』
また、襲ってくる?
〖あ、まだ大丈夫だよ。力は大分削いだからね。実体を取り戻すにしても時間がかかるはずだよ〗
『そうですか』
それなら、一先ずは安心かしら?
〖愛し子だけどね、今は地上にいるよ。聖域になってるし、さっきも言った通り、僕の奥さんと娘がついてるし、他にもドラゴンとかフェンリル、精霊たちにも守られてるよ〗
『あらあらまあまあ!ドラゴンにフェンリルに精霊さん?ファンタジーね!』
すごいわ!会ってみたいわ!
〖ふふ。あ、それとね~?愛し子はね、今、魂の修復をしたもんだから、ちょっ~と若返っちゃったんだよね~〗あはは
『え?』
若返った?
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やっと、やっとシリアス抜けた!?
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