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【二十七】気持ちの確認


 こうして俺達は、魔王城へと戻った。手を繋いで。
 帰還した俺達は、俺の借りている部屋へと向かった。中に入ると、ロイが俺を抱きしめた。

「ジーク、改めて聞かせてくれ。お前の気持ちを」
「……ロイの事が好きだ」
「そうか。俺も、ジークを愛している」

 嬉しそうな顔をしているロイを見て、俺も泣きそうなくらい嬉しくなった。俺の好意を喜んでくれるのが、どうしようもなく幸せな事に思える。ロイは、俺の頬に手を当てると、俺の額にキスをした。それから、続いて俺の唇に触れるだけのキスをした。その後、少し屈んで俺の顔を覗き込む。俺は紫色の瞳をじっと見つめた。

「ジーク。お前が欲しい」

 その言葉に、俺は真っ赤になったが、小さく頷いた。俺も、ロイと一つになりたい。
 そうして俺達は、ベッドへ移動した。
 ロイが指を鳴らして、小瓶を出現させた。それをベッドサイドに置いてから、ロイが俺の服に手をかける。何度もキスをしながら、俺は身を任せ、ロイに服を乱された。気づくと一糸まとわぬ姿になっていた俺は、再びキスをされ、そのままベッドに押し倒された。後頭部に枕がぶつかる。その状態でも、何度も何度もキスをした。

「んン」

 ロイが、俺の鎖骨の少し上に、吸いついた。ツキンと疼いて、キスマークをつけられたのだと俺は気づいた。ロイは、俺の体に、沢山唇で触れ、どんどんキスマークを増やしていく。それからロイが俺の隣に寝転び、俺の頭を撫でた。

「ロイ……?」
「今日はここまでにしよう。焦る事はない。俺は、感じてくれたジークを見ているだけでも満たされる」

 そう言って綺麗な笑顔を浮かべたロイの表情に、俺は気が抜けてしまい、ぐったりと体をベッドに預けたのだった。




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