つづき。.1
もりおは恐る恐る父親に聞く
(父さん、もしかしてそのケータイ、今オレを撮ったの)
父親は涼しい顔をしながら言った
ああっ、試しに撮ってみたぞ、どれ)
もりおは必死に叫んだ
(父さん、まっまって)
しかしもりおの父親は涼しい顔をしてみる
ケータイで撮られた写真にはもりおと部屋の風景しか写っていなかった
もりおの父親は(なんだ、もりお、なんにも変なものなんて写ってないじゃないかあーあ)
と言って笑った
内心写っていたらホントにどうしようと思った
その言葉を聞いたもりおの母親も安心しながら胸をなでおろす
もりおの母親も写真を見ると言う
(あらっほんとだわ、なんにも写ってない、もりお、良かったわね、
あなた決して呪われてなんかいないわよ、良かったわね、もりお)
と心の底からあんどした
もりおはあんどしてはいなかった
恐る恐る父親に言う
(父さん、わかった、なんにも写ってないんだね、じゃあ、確認するからケータイ貸して)
もりおは恐る恐る父親からケータイを貸してもらうと恐怖心いっぱいで見た
確かにもりお自身と部屋しか写っていなかった
もりおが安心しているともりおの後ろに置いてあったレコーダーが一瞬、点灯したように見えた
もりおはこれ以上見てはならないと思ったが確認したいという気持ちに負けてしまった
確かに点灯してはいない
ずーと見ていたが気のせいだと思い今度こそあんどした
その時背中がいきなり寒くなり右の耳元で低い声でささやくものがいた
(バーカっ)
もりおは発狂しながらケータイを投げた