なにもないところからの声
泣きやんで冷静さを取り戻したもりおは両親に感謝しながら言う
(わかった、二人とも、じつはね、俺さっき仕事に行くために家をでたろ)
父親
(ああっ、でたな)
もりお
(今日さ、事件あったじゃない、それでさ、そのことを考えながらあの廃屋に近づいたら上の方を見て屋上にさ、変な男が一人立ってんだよ)
もりおの母親は心底嫌な顔をしながら言う
(もりお、錯覚よ、そんなの)
父親
(心理学だな、心理学)
もりお
(いや、じつはねこの話にはまだ続きがあるんだよ、あっ、母さん、ちょっと熱いお茶ちょうだい)
三人は一度熱いお茶を入れて飲んだ
落ち着くともりおは言う
(それでさ、気味が悪いなって思いながら公園を通ったらさ)
両親は嫌な顔をしながら生唾を飲み込んできくことにした
もりおは熱いお茶をすすりながら(ブランコに乗ってた女がさ、右手で自分の首を持ってんだよ、俺さ、目があっちゃってそれでそいつが言うんだ、お前、見えてるなって)
それをきいていた両親は本当に辛い顔をしながら吐き気をもょうして下をむいてしまった
三人は無言でしばらく座っていた
父親は(ハァ~)とため息をついて言う
(お前、そいつに追いかけられたのか、じゃあ悪霊に取り憑かれたんだな、お前)
隣に座っていた母親が怒った顔で父親にいった
(貴方何いってんですかお父さん、そんな事あるわけないじゃあないですか
もりお、アンタそれも錯覚よ、見えると思う物なのよ、あんな事件が起きれば)
と母親はもりおが見たものを真っ向から否定した
父親は(まぁまぁ母さん、じゃあもりおに悪霊が本当についているのか試してみるか)
といった
母親は怒りながら言う
(あなた、いい加減にしてくださいよ、本当にもう、バカでしょう、あなた)
と言って怒った
父親はまぁまぁと言いながら母親をなだめた
もりおは父親に言う
(父さん、霊能者知ってるの)
と期待を込めていった
父親は(いゃいないよ、とりあえず写真取った見るか、もりお)
父親の提案にもりおは吐き気をもようした