基地の分解
ベット、発電機とその他の必要そうな小物をリビングのモジュールまで運んだ。
『これで全部よね?』
『ああ、そうだと思う。必要そうなのは全部運んだと思うよ』
『これからどうするの?』
『次はモジュールの切り離しかな?』
『じゃあ早速やろか』
『そうだね』
『まずはリビングと実験室の繋ぎ目を外そうか。愛莉は皿型ボルト用のネジ止めを探してきて』
僕は愛莉にお願いした後すぐにパソコンを開き、モジュール同士を外す準備をした。
『はい!とってきたよ』
愛莉が少し経ってボルトを外すのを持ってきた。
『ありがとう。じゃ行こうか』
僕たちは宇宙服に着替えて外に出る。
リビングモジュールと実験モジュールが結合しているところにきた。
『あ、たくさんのボルトで止めてるね』
『そうだね』
僕は愛莉の持ってきた皿型ボルト用の電動ペンチをボルトの一つに当てる。
(カチャ)
ちょうどハマってくれた。
『うん、これいいね』
僕は宇宙用パソコンを開き、基地中のエアロックを閉めた。これでモジュールを外しても空気が漏れることは無い。
『じゃあ私やるね』
愛莉がボルトを外し始めた。
(ウィーン)
電動ペンチが起動する。
『ん?あれ?うまくいかないな?』
愛莉は電動ペンチの使い方がわからないらしい。
『愛莉、力入れすぎだよ。もっと添える感じでボルトに当てるんだ』
『え?そうなの、わかったやってみるね』
愛梨がまたボルトを外そうとする。
(ウィーン、ギ、ギ、ギー)
さっきよりかはボルトが回ったけど空回りしている。
『んーやっぱりできない若田やって見て』
愛梨が僕に電動ペンチを渡す
『え?あ、わかったやってみるから見てて』
僕は電動ペンチをボルトにつけてみる。
(ウィーン、デューデュー)
うまく電動ペンチとボルトが噛み合いするするボルトが抜ける。
『わーすごい!スルスル抜けちゃった!』
『わかった?』
『うん!やってみるね』
愛梨はまたボルトに電動ペンチをつける
(ウィーン、ガ、ガ、デュー、デュー)
最初は空回りしたけど後からうまく噛み合いスルスルボルトが抜けた。
『わーい!できたー!』
愛梨が僕に抱きつきながら喜ぶ。
なんだか暖かみを感じる。ちょとだけ胸がドキドキする。
『つ、続きお願いしていいかな?愛梨』
『うん!いいよ若田のおかげでやり方わかったし』
「じゃあ僕はローバーで実験モジュールを動かす準備するね」
僕はローバーを動かし愛梨の居るところまできた。
「あ、きたきた。もう終わったよー」
僕の方に手を振っている。
どうやら愛梨は全てのボルトを外し終えたらしい。
僕はローバーから降りる。
「僕がローバーを実験モジュールに近づけるから、愛梨はローバーと実験モジュールの連結をお願いしていいかな?
「いいわよ」
「じゃあ、よろしくね」
僕はローバーに戻り、ローバーを実験モジュールに近づける。
「もー少し右に寄って」
愛梨が無線で指示してきた。
「わかった。動かすから気をつけて」
「んーーストップいいよ」
(ガチン!)
金具同士が噛み合う音がした。
「出来たよー」
「わかった!ローバー動かすから」
「うん!」
ローバーを動かして実験モジュールをずらした。
モジュールのタイヤのロックを外していたからスルスル動く。
少し動かしてからローバーを降りる。
「ねえ、もう夜の時間だし戻ろ」
愛梨が僕に言う
「そうだね」