洞窟2
僕たちは洞窟から出て、ローバーに乗り込む。
「よし、次はの洞窟に行くか」
「そうだね」
僕はローバーのを動かす。
「ねえ、若田くんはどんな料理好き?」
「え? 急にどうしたんですか?」
「いや、ねなんとなく。ほ、ほら、私たち一緒に生活して何ヶ月も経っているのに、そうゆうの全く知らないから。気になったの!」なんだか愛梨の様子が少し焦っているような、いつもと違う感じがした。
「そうですか。まあ僕はハンバーグとカレーかな?」
「そう、わかったわ。ありがとうね、参考になった」
なんの参考になったのか気になるところだ。
そこからはお互い何も会話せずに過ごした。
愛梨はぶつぶつ何か言いながら考えていた。
ローバーは基地を横切りそのまま二個目の洞窟に向かう。
基地は近くからでは分からなかったが、いろんなところに残骸などがあった。
ローバーは二個目の洞窟に着いた。
「着いたな」
「そうね。今回のは入り口すっごくおっきいね」
実際さっきの洞窟に比べたら入り口は四倍ぐらいある。
僕たちはローバーを降りて中に進む。
意外にも入口は小さかったが、少し奥に進めばすぐにローバーがすっぽり入るぐらいの大きさになった。
『すぐにちっちゃくなっちゃたね』
『外見だけが大きい洞窟ですね』
『ここにローバーと食料を保管するの?』
『そうすると思う』
『あ!見てー凄い丸い石があるよー』
愛梨が足元を見て指差している。
僕も足元を見る。下にはの丸い石がいくつかまばらに転がっていた。
『そうだね、昔は川があったのか?』
『んー私そこらへんの知識無いからわかんない』
『まーうーんここにローバー置くか』
『そうだけど、ここが川になってローバー流されないよね?』
愛梨は怖いこと聞いてきた。
『あ、そうだ、どうしたらいいんだ?』
『冗談よ!もうさここ来る前、ここの一年の様子調べたでしょ!その時川なんて一つもなかったじゃ無い!もーへんなところはおバカね!』
『あ、いや』
『もー困らないでよー』
愛梨は笑顔でこっちを見る。ヘルメット越しでもよくわかった。
『まーとにかく、ここら辺は平坦なところだし大丈夫そう!ここにはローバーと食料を保管するのよね?』
『ああ、そうするよ』
『さっ帰ろ、若田。私もう疲れたー』
『あ、うんそうだね。帰ろうか』