洞窟1
『よし、まずは二つの洞窟の確認するか』
『そうね!よーし頑張るぞー』
僕たちは宇宙服に着替えて始める。
ローバーの中に入る。
『よし、愛梨、ドアを締めて』
『わかった!』
愛梨がローバーの扉を閉めた。
僕はエンジンをかけて、発進した。
ローバーは白と赤茶色の大地を走る。
数分経って、山のふもとまで来た。
目の前には口を開けた洞窟がある。
『ついた、かな?』
『そうね!ここよ』
『中に入って確認しよう』
僕たちはローバーから降り洞窟の中へと歩く。
『ふう、入口の大きさは問題なさそうだな。』
『そうねなんだったらちょと大きいかな?』
僕たちは奥の方へ歩く。
暗くなってきて自動でヘルメットのライトがついた。
天井を見ようと上を向いた。さっきより天井が高くなっていた。
『洞窟は奥に行くと空間が広がっているみたいだね』
愛梨はさっきよりちょっと遠くにいた。
『だ、だね。大きいね』
『愛梨?……怖いの?』
『ちょっとね。なんだかお化けでも出てきそうで。てかちょっと待ってよ!』
愛梨は僕の方へ走って来た。
『あ!』
愛梨は小さな段差につまずいた。
宇宙服だったから下が見えなかったのだろう。
『うわ』
僕は倒れる愛梨に向かって走り込み、愛梨をギリギリのところで支えた。
『だ、大丈夫ですか?』
『うわ!めちゃびびった!』
『宇宙服では走らないようにしてください』
『そうね!今度から気をつけるね!』
愛梨がこっちを見て笑顔で言う。
『綺麗』
ヘルメットでいつもの特徴的な金髪が隠れているからか、ピンクの大きな瞳がいつもより輝きを目立たせていた。
ついボソッと言ってしまった。
『え?』
『あ、いや、なんでも』
『いいの自分で言ったことは否定しないで、だって私は本当に綺麗だから。ありがとうね♥️』
『わ、う、うん愛梨さんは綺麗です』
『うん!そう!』
『そ、それにしてもここは入口より相当広いな』僕は恥ずかしくなったので話を変える。
『え、ええそうだね。ここに基地の一部を入れるかな?』
『そうだね、案外平たんだから整地を少しして終わりそうだ』
『そろそろ、戻ろうか』
『そうだね!』
『足元気をつけて』
『わかってる!あ、そうだ怖いから近くにいていい?』
『あ、うん』
『えい!』
愛梨が急に僕の背中に抱きつきて来た。
『え? 愛梨さん、もう少し離れた方が』
『いいのこれで。さっいこう!』
僕たちは洞窟を出た。