319章 犯罪人を始末
「アカネさん、ここですね」
爆弾を使ったかのように、建物は粉々になっていた。あまりにひどすぎて、言葉を失ってしまった。
「修復魔法を使用します。しばらくお待ちください」
レベル9999になったときに、修復魔法を取得した。これを使用することで、建物をすぐに元通りにできる。
ソラは元通りになった街に、瞳をときめかせていた。
「アカネさん、すごいですね」
アカネ、ソラのところに、ガラの悪い10人組の男がやってきた。
「ねえちゃん、俺たちの相手をしないか?」
「アカネさん、建物を爆破した男たちです。始末してください」
「わかりました。犯罪人を始末します」
「簡単に始末されてたまるかよ」
犯罪人たちは、爆弾を投げつけてきた。ソラの生命を守るために、爆弾消滅の魔法を唱える。
アカネは小指一本で、犯罪人を地面にたたきつける。威力はすさまじく、どこにいったのかわからなくなってしまった。
アカネの戦闘力を見た犯罪人たちは、一斉に土下座を始める。威勢はものすごくよかったけ
ど、中身はたいしたことはなかった。
「すみませんでした。命だけはお助けください」
「ソラさん、どうしますか?」
「全員をあの世送りにしてください。爆破による負傷者は多いので、死刑でOKです」
「わかりました。全員をあの世に送ります」
犯罪人たちは、死刑にうろたえだした。
「命だけは・・・・・・」
「ひぃ・・・・・・」
「お助けください・・・・・・・」
魂を抜く魔法で、犯罪人をあの世送りにする。痛みを伴わないのは、せめてもの優しさといえる。
「アカネさん、ありがとうございます」
アカネは気になったことを質問する。
「ソラさん、部下はどうしたんですか?」
ソラの瞳に、陰りが生じた。
「18歳のいうことは聞きたくないと、働かなくなってしまいました。そのこともあって、治安悪化につながりました」
ソラの懸念は、完全に当たっていた。
「私のことを国王と認めていないものも多いです」
「私が解決しようと思っているので、ついてきてもらえませんか?」
「アカネさん、できそうですか?」
「とりあえずはやってみます」
「私が無力なばかりに・・・・・・」
「テオスさん、ソラさんの協力なくしては、街を復興できませんでした。恩義は絶対に忘れません」
「アカネさん、ありがとうございます」
ソラの瞳に、かすかな希望がともっていた。