240章 腹の虫
入浴を終えると、みんなのところに戻った。
「ミサキさん、どうでしたか?」
シノブの質問に、笑顔で答える。
「二人きりになれて、とてもよかったよ」
超一流の歌手と、二人きりの時間を過ごせる。腹ペコ少女にとって、夢を見ているかのようだった。
超一流と接したからか、心身に疲労を感じていた。雲の上の存在といるのは、楽しいことばかりではないのかもしれない。
エマエマから、ネガティブな話をたくさん聞かされた。こちらについては、黙っておいたほうがよさそうだ。彼女を応援している、多くのファンを傷つけたくなかった。
ミサキのおなかは空腹のサインを発する。
「おなかすきました」
15分間の長い格闘が始まる。腹ペコ少女は、持ちこたえられるのだろうか。
「ミサキさん、夕食を食べに行きましょう」
腹ペコ少女に、すぐに食べられないホテルはきつい。次回は別のところにしたほうがよさそうだ。