315章 ストレートすぎる質問
ミライのところに、サクラが近づいていく。
「ミライおねえちゃん、こんにちは」
「サクラちゃん、こんにちは」
サクラはド直球の質問をぶつける。
「ミライおねえちゃんは、子供を出産しないの?」
「セカンドライフの街」では、ほとんどの女性が子供を出産する。女性=子供を産むという、固定概念がしみついている。少子化で悩む日本に住んでいたら、絶対にいきつかない発想である。
「出産予定はないよ。私は子供なしで生きていく」
サクラの母親は、子供の質問にあわてふためいていた。
「サクラ、失礼なことを聞いたらダメだよ」
サクラの母親は、ミライに向けて頭を下げる。
「ミライさん、大変失礼いたしました」
「いろいろな人からいわれるので、慣れてしまいました。気にしなくてもいいですよ」
「でも・・・・・・」
「男の人を頼らずに、生きていこうと思います」
ミライの決意は固い。アカネはその姿を見て、とってもうらやましいと思えた。
「失礼します」
ミライは一礼すると、宿屋からいなくなった。いつもと比べると、とってもあっさりとしているように感じられた。