20話 殺人鬼お姉さん再び襲われ
「ごきげんよう。久しぶりねケイちゃん。」
「・・・・。」
アイラは笑顔で話しかけてくる。俺は黙って下を向いている。怖くてアイラの顔が見られない・・。
「ふっ。私が来たことがそんなに嬉しくないのかしら?私はケイちゃんに会いたくて来たのよ。嬉しいでしょう?ほら、顔を上げてちょうだい。」
「・・・・・。」
「あら、つれないわねぇ~。せっかく来たのだから、もっと喜んでくれてもバチは当たらないと思うのだけれど。」
大丈夫だ・・。鍵はリリス隊長が持っている・・。外からは自由に開けられない・・。
「・・そこ・・開かないです・・帰ってください・・。」
俺は震える声でそう言った。
「そうみたいね。内側から開けるタイプのドアだわ。ケイちゃん。開けて頂戴。」
不気味な笑顔でそう言う。開けるわけないだろ・・。それは自殺行為だ・・。
俺は耳をふさいでベッドの布団に潜った。
早く朝になれ・・!!早く帰れ!!・・怖い・・怖い・・怖い怖い怖い。
「もう、しょうがない子ね。それじゃあ、壊してもいいの?」
「・・ええ・・?!」
俺は布団から出てアイラを見る。
この鉄格子は頑丈だ・・。壊せないようにできているはず・・。絶対壊れるはずがない・・。
自分を閉じ込める鉄格子に守られている・・。
ゴオンッ!!ガンッ!! ゴンッ!!!!
アイラが鉄格子を蹴っている。
やめろ!!やめてくれ!!
これ以上俺を苦しめるのはやめて!! アイラは何度も蹴り続けている・・・。
ガシャン!!ドスン!! 扉が開いた・・・。
アイラはこちらに向かって歩いてくる・・・。
嘘だろ・・?なんでそんな簡単に壊れるんだよ・・!!
「・・ああ!!」
ドンッ!!
俺は震える自分の膝を叩く。そして、アイラに向かって構える。
アイラは顔を赤く染めて興奮しているようだ。
「あら?やる気なの?ここじゃあ逃げられないわよ。」
ガチャ。
独房に入り、カギを閉めやがった。
「爆弾♪。発動♡」
アイラは指をパチンとならした。すると、遠くから爆発の音が聞こえた。地下の監獄の入り口あたりからだろうか・・。
バッ・・!!
ああ・・!!明かりが消えた!!
真っ暗になる。アイラの顔すら見えない・・。やばい・・何も見えない・・。
暗さで視界が奪われる。
アイラの声だけが聞こえる
「落ち着いて・・。そこを動かないでね。」
バタッ! 何か重いものが倒れる音・・・。
何の音だろう・・・。
暗いから全くわからない・・・。
「・・うう!!」
何も見えず、棒立ちの俺の頬に、アイラの手が触れた・・。
アイラは微笑んでいるような気がする。
「ふふっ・・・かわいい・・・。」
ゾクッ・・・。背筋が凍るような感覚がする・・・。
「見えなくて・・。怯えているのかしら・・。私はあなたの可愛い顔がはっきり見えているわよ。言ったわよね?私から逃げたら許さないって。」
ドサッ!!
「・・う・・!!」
暗闇で何も見えないままベッドに押し倒された・・。
アイラは俺に馬乗りになっているようだ・・。
アイラは息遣いが荒く、興奮しているように感じる・・・。
暗くて表情は分からないが、きっと笑っているのではないだろうか・・・?
「あなた、私のものになりなさい・・・。」
アイラの息が顔に当たっている。近い・・。怖い・・。
「まずは、逃げられないように・・・」
ボギボギ!! バギっ!! ボキィ!!
「ぐああああ!!」
アイラは俺の手足の関節を外してきた・・。死ぬほど痛い・・。こいつ・・手慣れてやがる・・。
「ふふ。これで力入らないでしょう?ほーら。」
アイラは俺の両腕を掴み、持ち上げる・・・。そして、そのまま腕の骨を折ってきた・・・。
ブチブチ!!ゴキッ!!!
「うあぁ!!」
関節が外され、動かせない腕を折られた・・。
「あはは。ふふふ!!いい反応するのね♡。あら?泣いちゃったの?」
「・・・うぅ・・・。」
泣いてなんかいない・・・。でも、痛くて声が出なかった・・・。
アイラは俺の顔を触ってくる・・・。
「・・・はぁ・・・。素晴らしい・・。すっごーい♡!!」
ガダッ!!!
いきなりアイラは体勢を降ろして、俺にキスしてきた。
しかも舌を入れてきた・・・。
俺は抵抗できない・・・。痛みで意識が飛びそうだ・・・。
「・・・んちゅ・・・。ん・・・。れろぉ・・・。じゅるる!!」
・・・誰か・・!!誰か助けてくれ・・!!