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5話 王国最強の剣士が助けに来てくれたが、快楽殺人鬼のお姉さんを煽りすぎて心配な件について

「どうしました?かかって来てくださいよぉ~。」

アイラが挑発してくる。

くそっ!!

その時だった。

「遅れてごめんね!!ライト君!!でも間に合った!!」

白髪のイケメン長身お兄さんが現れた。剣を持っている。

「間に合ってねえぞ!!衛兵たちは全滅してるだろうが!!」

ライトがそう怒鳴っている。2人は知り合いらしい・・。

「あらあら、また誰か来たのね。君の名前は?」

アイラが白髪の男にそう言うと、白髪の男は陽気に答えた。

「僕は、この王国最強の剣士、名を、アスター・フォン・マルスと言う。よろしく頼むよ。」

アスターと名乗った男がそういうと、アイラは笑った。

「アハハッ!!あなたがアスターですか!?噂には聞いていましたが、本当にカッコイイですねぇ。それに強いみたいだし・・・。でも、私は可愛い男の子の方が好きなんですよぉ・・。」

アスターも淡々としていた。

「それは残念。でも、アンタ、ジョーカーだろ。降伏した方がいいよ!!だって君弱いもん」

超ストレートに煽った!!!

すると、アイラの額に血管が浮かび上がった。

「フフフ。いいですよ。その性格を可愛くしてあげます。」

そう言うと、アイラが高速でアスターに襲い掛かった。

俺とライトは目で追えなかった。アスターは冷静にアイラの攻撃をかわしていく。

アスターが持っている剣が光輝き出した。

「ファイアブレード!!」

アスターが叫ぶと同時に、アスターの持つ剣から炎が出て、それが刃の形になり、アイラに切りかかった。アイラはそれをかわす。

「くそっ!!速すぎる!!」

俺は驚愕した。アイラの動きが速い。まるで残像が見えるようだ。アスターは攻撃を繰り出す。

「ファイアボール!!」

アスターの手のひらから火球が出る。

「ああ!!・・・!!」

アイラに火球が直撃した・・!!

だが、煙が上がった時には衣服が消し飛んで、肌が見えていたが、傷口はすべて回復していた。

「さすがに、3対1じゃあ、厳しいですね。残念です。でも安心してください。君たちが一人でいるときにまた襲いに来ますから。」

アイラは殺意のこもった声で俺達3人にそう言った。

「誰が逃がすと・・?!!」

アスターがアイラに迫る。だが、アイラは空中に飛んだ・・。

「ケイちゃん・・。絶対逃がさないからねぇ・・」

恐ろしい顔で俺にそう言うと、アイラは弾幕を放った。

アスターでも追う事ができず、アイラを逃がしてしまった。

「あれ?逃げられた?あちゃーやらかしちゃったぁ!!」

アスタさんはふざけている。微塵も反省していない。でも、俺は助けてもらった。感謝しないと。

「あの、ありがとうございました。」

俺がお礼を言うと、アスターはこっちを見た。

「君、結構戦えるんだね。もしかして、転移者・・?」

え・・嘘だろ・・わかんの・・?そうだよ・・俺は急にこの異世界に転移させられたんだよ!!

「そうです!!俺は異世界召喚されたんです!!」

だが、俺がそう言うと、アスターはニッコリ笑った。

「いやぁー運がいいねえ!!探す手間が省けたよ!!」

「え?どういうことですか?っていうかなんで俺が転移者ってわかったんですか?」

「予言だよ。ここ最近の内に、この王国に異世界から転移者が来ると予言されてたんだ。それで探してたの。黒髪なんて珍しすぎて最初に転移者じゃないかと疑ったよ。まぁ詳しいことは城で話そうか!!。」

なんかよくわかんないけど・・。話は進んだな・・。とりあえず、城までついて行ってみるか。

「おい、ちょっと待て!!」

ライトが叫んだ。

「お前が転移者だと!!ふざけんな!!この王国を救うのはこの俺だ!!」

何かよくわかんないことをライトは叫んでいる。

「いいからいいから。ライト、とりあえず城に戻ろうか。」

アスターがライトと俺を城まで連れて行った。城に着くと、アスターが女王様に報告する。

女王様は、80代くらいのよぼよぼのおばあさんだった。

弱弱しいが、威厳がある。

この王国の軍隊の隊長のような人たちが集まって、机を囲んでいる。俺は緊張して立っていた。

ライトはアスターの横に立っていた。

隊長たちがこっちをじろじろ見ている。すげえ気まずい・・。

アスターさんがおばあさんの女王様に挨拶した。

「ただいま戻りました。この子、名をツルギ・ケイこそが予言書に記されていた。異世界からの使者です。」

そう言って俺を紹介した。

「おお、あなたがあの予言書に書かれているの救世主なのですね。お会いできて光栄にございます。私は、このファイア王国の女王。名をルリシア・フォン・マルスと言います。よろしくお願いいたします。」

「えっと、こちらこそよろしくお願いします。」

俺はぺこりと頭を下げた。マルスってことは、アスターさんの親戚かな・・?

「さっそくなのですが、お話ししたいことが・・・。」

俺は自ら質問した。

「はい、なんでしょう?」

老婆の女王様は笑顔で聞いてくれた。

「実は、俺を異世界から召喚した召喚士を探しているんです・・。その方はこの城にいらっしゃるんですか・・?」

「ふっふっふ。そうですぞ。今そこに座っているお方じゃ。」

ルリシア女王の手の先には、綺麗な女性が座っていた。上品な雰囲気がある。黒髪ロングだ。

「あ・・あなたが俺を・・?なんのために・・?」

俺は異世界に来たくて来たわけじゃない・・。一方的に来させられたのだ・・。

その召喚士の女性は話し出した。

「私は、召喚士ではない。この王国最強の魔法使い。名をリリス・ミケイル・サイコと言う。」

続けて、リリスは話した。

「私は、予言書に従い儀式を行ったまでたよ。たまたま君が選ばれたんだ。幸となるか不幸となるかは君次第だ。まぁ、魔王軍の最後にして我らに立ち塞がる敵、黒龍に対抗できる能力は持っているのでしょうね?」

高圧的に見下ろすような目で俺を見てくる・・。雰囲気だけで分かる。めちゃくちゃ強いこの人。

ルリシア女王が話し出した。

「そうじゃ。ツルギ・ケイと言ったな。おぬしには、黒龍と戦い、我らが勝利するため、予言書によってこの世界に転移するよう導かれた。それ相応の能力を持っておるのじゃろう?ぜひ、我らに示してくれんかのう?」

机を囲んでいる他の強そうな人たちも全員俺に注目している。

「俺の能力は・・。うまく説明できないんですけど・。相手と10回戦ったら、4回は自分が勝てるくらい強化されるっていう能力です。・・・・・正直、そこまで力になれないと思うんですが・・。」

すると、アスターさんが遮った。

アスター「何言ってんの君?予言書が間違うわけないでしょ・・。君には力になってもらわないと困るんだよ。もちろん、修行でも鍛錬でもなんでもして、戦力になってもらう・・。」

俺は、アスターさんの圧に押されてしまった。

そして、リリスは言った。

「あなたに拒否権はないわよ。あなたはこの世界の救世主なんだから、しっかり役に立ってくれないとねぇ・・・?」

アスターさんが横槍を入れた。

「僕の隊に来ないか・・?ケイ。僕が鍛えてあげるよ。」

周りの圧が怖え・・。いきなり呼び出してそれはねえだろ・・。拒否権も無いなんて・・。でも、どのみち魔王軍を滅ぼさなきゃ元の世界には戻れねえ。やるしかないのか・・。

すると、アスターさんの横に座っていた黒髪で糸目の男の人が喋りだした。アスターさんと同じくらいの年齢のようだ。

「こら、アスター。早まるなよ。この子がどこの隊に入るかは順を追ってきっちり決定させるべきだ。」

「・・・そういうロードの隊に入れたいのかい・・?」

どうやらこの人はロードと言う名前らしい。この人も隊長で、強そうだ。

「それで、君はできるの・・?黒龍討伐。」

最強の魔法使い、リリスさんが俺にそう言った。

元の世界に帰るためにはやるしかねえ・・。

「はい、やります。」

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