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3話 快楽殺人鬼のお姉さんの家から脱出する

俺は一瞬の隙をついて、横の壁をぶち破り、外に逃げた。

はぁ・・・はぁ・・怖い怖い怖い・死にたくない死にたくない!!

俺は必死に息をしながら走り続ける。後ろからアイラの声が聞こえた。

「どうしたのぉ?ケンちゃん・・?お姉さんのところに早く行きましょう?」

アイラが追ってくる。俺は全力で走った。

そして、さっきまでいた町に戻り、建物の影に隠れた。

「どこに行ったのかなぁ〜・・・?」

アイラは俺を探しているようだ。

「どこにいるのかなぁ・・・?」

俺は今にも声を出してしまいそうだ。

アイラが近づいてきて、俺の近くを探し出した。やべえ・・バレたか!?心臓の音がうるさい。頼む、気づかないでくれ!

「あれれぇ?ここに隠れていたのねぇ?」

見つかった!!!俺は慌てて逃げようとすると、足がもつれ、転んでしまう。

「みぃつけた!」

アイラは背後から俺を抱きしめて、俺の口をふさいだ。俺は叫ぶことができない。そのまま、裏路地に引きずられた。

裏路地に着くと、薄暗くてよく見えなかった。

「はい、逃げたお仕置きよ。」

そういうと、アイラは俺の首に手をかけた。

グッと手に力が入り、首を絞められる。俺は苦しくて足をバタつかせるが、アイラの手を振り払うことはできなかった。

「んー!!んー!!」

俺は必死に抵抗したが、無駄だった。死ぬ寸前で、アイラが手を放す。俺は息を荒げて咳をした・・。なんでこんなことに・・こんな地獄な異世界・・聞いたことねえぞ・・。

「苦しかった・・?ケンちゃん・・。でもね、これはまだまだ序の口よ?」

アイラは俺に馬乗りになり、両手で俺の顔を掴んだ。その目は冷たく、どこか悲しげでもあった。

「私のお仕置きはこんなものじゃないんだから!!」

そう言うと、右手を大きく振り上げ、俺の顔面めがけて勢い良く下ろしてきた。

バチンッ!! 俺は反射的に目を閉じた。顔に激痛が走る。

俺はゆっくりと目を開いた。そこには俺を笑顔で見つめるアイラがいた。

「ほらっ!!もっと泣いて!!我慢しないで!!」

連続で顔を殴られる。俺はなす術もなく、ただただ痛みに耐え続けた。

気づいた時には、涙が流れていた。俺は普段泣かないから不思議な感覚だった。恐怖ってこういう感じなのか・・。

「あら、素敵な泣き顔よ。」

アイラは嬉しそうな表情を浮かべた。すると、また殴ってきた。今度は腹だ。

「ぐふぅ・・・。」

「いいわぁ。そっちの方が泣き方も上手になるわよぉ?」

その後、30分くらい俺はアイラにお仕置きされていた。体中の骨がおられ、出血もひどい。そんな俺を見て、アイラは笑っていた。

「もう、今回はこれくらいで勘弁してあげる。ケンちゃん・・もう逃げたらだめよ・・。」

俺は、頷いた・・。

「はい、よくできました。治癒魔法、ヒール。」

傷がみるみると回復していく。体が軽くなり、痛みが消えた。

「それじゃあ、帰りましょ・・。」

アイラは微笑んで俺の手を引いた。俺はアイラの家に着くまで一切抵抗しなかった。
俺はアイラの家に連れていかれると、ベッドに寝かされた。今にも意識が飛びそうなほど疲弊していた。

「あら、眠いの・・・?じゃあ一緒に寝てあげますね。」

俺の横にアイラが入ってくる。

でも、眠すぎてどうでもよくなってきた。一旦寝よう・・・。

俺は深い眠りに落ちていった。

目が覚めると、そこはアイラの部屋だった。隣を見ると、アイラが気持ちよさそうに眠っている。俺は時計を見た。時刻は午前7時を過ぎている。

俺は昨日のことを思い出した。市長と衛兵がこのアイラに殺された。俺を庇って・・。それなのに俺はこんなあっさりコイツの家に連れていかれて、寝ていただと・・?

さすがに、俺クズ過ぎね・・?

だんだん腹が立ってきた。アイラはまだ寝ている。このババア!!

俺の能力なら、10回戦えば4回は勝てる。反抗するか・・?でも、もし負けたら、拷問でもされるかもしれない・・。どうする俺・・!!

俺は必死に考えたが、考えているうちに、アイラが起きてしまった。

「あら、もう起きてたの?おはよう。どうしたの?なにか考え事・・?」

「あ、おはようございます・・。あの、どうして俺を家に連れてきたんですか?」

アイラはしばらく黙り込んだ。そして口を開く。

「それはね、あなたには私と一緒に暮らして欲しいからよ。」

「え?暮らす?俺がですか!?」

「えぇ。ダメかしら?」

冗談じゃねえ・・。こんな快楽殺人鬼と暮らすなんて・・。どうする反撃するか・・?市長と衛兵さんの仇!!

その時だった。

ピッ!!

と音がして、俺の前にあのパッドが現れた。

”緊急ミッション アイラを討伐”

「お・・・え?!」

やべえ、アイラに見られた・・!!

「あら?これは何かしら?」

アイラは笑顔で聞いてくる。

「俺も、いまいちわかんないっていうか・・。」

「ふーん・・・。」

まずい・・・!! アイラは立ち上がり、俺の目の前に立つ。

「あらあら、この能力は面白いわね。」

アイラは俺の顎を掴む。

「これ、どうやって使うのか教えてくれる?」

「知らないです・・・。」

「嘘つきなさい!!」

アイラは俺の顔面を殴った。鼻血が出る。

「ほら、早く言いなさいよぉ!!!」

アイラは何度も俺の顔を殴り続けた。

何一方的にやられてんだ俺・・!!これじゃあ昨日と同じじゃねえか・・!!いい加減覚悟決めろ!!
現実世界に帰るんだろ!!

「うああああ!!アイラ!!俺と戦え!!」

つい、叫んでしまった

「うふふふ・・・。はっはっはっは!!!あぁ・・素敵ィ・・!!いいわ、戦いましょう・・・!!」

アイラは狂喜に満ちた表情を浮かべて俺に飛びかかって来た。

俺は能力を使う。

「少林寺、演武」

ボアアアアア!!!

急激なパワーアップをする・・。

俺には作戦があった。今叩けば勝率は4割。だが、城下町まで戻れば衛兵たちがたくさんいる。こっちの勝率をなんとか5割まで引き上げてやる!!

俺は、先制攻撃を仕掛ける

「少林寺拳法、拳術、連撃」

ドガガガ!! 俺はアイラに連続で攻撃を与えた。

「ぐっ・・・。」

よし、効いてる!!この隙に、家から出るぞ!!

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