これから
「ただいま~」
わたしは自分のアパートに到着した。
(はあ、疲れた……)
今思い出しても夢だったんじゃないかと思うような一日だった。
わたしは今日、告白をすっ飛ばして、結婚を申し込まれるだけでなく、なんとそれを承諾してしまった。
なんとか結婚を回避するために、わたしは仮結婚という謎の提案した。
(自分で提案したとはいえ、なんだ仮結婚って…… でもとにかくこの一年間で破談にもちこまなきゃ…… でもどうしたらいいんだろう……)
わたしは破談のためにできそうなことをノートに書きだした。
・他の女の子と仲良くする
・
・
・
・
(『他の女の子と仲良くする』以外、全く思いつかなかった…… まあいいか。いろんな女の子と仲良くしてたら、陽菜さんも「わたしというものがありながら!!」って失望して、破談になるでしょ。とりあえず早く、他の友達を作って仲良くなろう! 破談に向けてがんばるぞ!!)
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「ただいま帰りました。まあ、誰もいませんけど。」
お母様の監視を逃れるために、自立がしたいからと言い訳をして、一人暮らしを始めることにした。けれど、お母様は一人暮らしを認める代わりに生涯の伴侶を見つけてこいとおっしゃられた。
正直、少し面倒だったがそんなことは杞憂だった。
大学につくと目の前には見たことのある女の子がいた。
勘違いかと思ったが名前を聞くと、やはり彩花だと確信した。
「まさかこんなところで再会できるなんて…… うれしすぎて、わたくしちゃんと平静を保ててたかしら……」
(わたくしのことを覚えていないのは少しショックでしたが……)
昔、出会ったことのある彩花はとても可愛く成長していた。
結婚を申し込むと「はい」という返事が返ってきた。
うれしくて、つい抱きしめてしまった。
しかし彩花は結婚についてよくわかっていないようで、仮結婚を提案してきた。
少し迷ったが、確かに彩花の言うことにも一理あったので、仮結婚を承諾した。
「まあ、なんと言われても逃がしませんし、この一年間で完璧に堕としてみせますわ。ふふっ」
彩花がいるこれからの大学生活が楽しみでしかたがない。