297章 一時的な能力を試す
アカネは一時的な能力を試すと、大量のバナナが出現することとなった。ざっくばらんに数えて、1万本はある。たくさんの人数に分けるにはいいけど、一人で食べるのは厳しい本数だ。多くの住民に配ることを想定して、大量のバナナを生み出せるようにしているのかもしれない。
魔法で生み出した、バナナを一本食べてみる。食べられないような味だったら、住民に配るのは無理だ。
バナナからは柔らかい甘み、風味を口の中で感じる。高級品よりは劣るものの、十分な味といえる。住民に配ったら、大いに喜ぶのではなかろうか。
住民を助けに行こうと思っていると、ソラがこちらに戻ってきた。
「アカネさん、住民からいろいろな要望が出ています。お休みは十分ではないと思いますけど、今すぐに来ていただきたいです」
「わかりました。すぐに行きます」
「休養はしっかりととれましたか?」
「はい。2時間の睡眠をとったので、体はばっちりですよ」
「人間は2時間睡眠でいいんですか」
アカネは首を振った。
「通常は無理です。1日で6~8時間くらいは、睡眠をとる必要があります」
「それなら・・・・・・」
「私は大丈夫です。住民を助けに行きましょう」
「はい。力になれず、申し訳ありません」
「ソラさんは、力を尽くしてくれています。私はとっても感謝しています」
ソラは水、木材を準備してくれた。アカネにはできないことで、街に貢献している。
「アカネさん・・・・・・」
「住民のところに行きましょう」
「わかりました」
アカネ、ソラは住民のところに向かった。