296章 一時的な力を付与
2時間ほどの睡眠をとったことで、心はリラックスしていた。
水を飲みたいと思ったので、水道の蛇口をひねる。蛇口は透明の液体ではなく、真っ黒な液体が出てきた。地震によって、水道管は破裂したようだ。
アカネは復旧魔法を唱えると、蛇口の水の色は元通りになった。万能治療だけでなく、壊れた水道管を修理する力も備えられている。一部にできないことはあるものの、とっても便利だと感じた。
復興に行こうと思っていると、室内は暗くなかった。
「アカネさん、こんにちは・・・・・・」
「メイホウさん、こんにちは・・・・・・」
メイホウというのは、アカネを転生させた張本人である。こちらにやってきてからも、ちょくちょく顔を出す。
「アカネさんに、一時的な力を付与しようと思います」
「どんなものですか」
「復興が終了するまで、バナナを生み出す能力を付与します。1日に1000万トンまで、バナナを生み出すことができます。品質については、こちらの街と全く同じです」
「セカンドライフの街」には、大量のバナナがある。そのこともあって、微妙な能力であると感じた。
「バナナ以外は無理ですか?」
肉などを生み出すことができれば、「セカンド牛+++++」を好きなだけ食べられる。アカ
ネにいろいろな可能性が生じる。
「はい。生み出すことができるのは、バナナだけです」
「わかりました」
「アカネさん、住民を助けてあげてくださいね」
メイホウは姿を消すと、部屋は明るくなった。