バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

2

「菜摘さん、今日は調子どうですか?」


菜摘さんが熱を上げた翌日。

心配だった僕は、また菜摘さんのアパートの部屋を訪ねた。


「ありがとう!隼くんが色々と買ってきてくれたおかげで、昨日より全然良くなってるよ!」

「よかったです!今は熱も下がったんですか?」

「37度を少し超えるくらいはあるけど、ダルさとか食欲の無さは昨日よりマシよ。」

「菜摘さん、昨日から何も固形物食べてないですか?」

「隼くんが買ってきてくれたゼリーを食べたよ。ご飯らしいご飯は食べれなかったから…。お粥でも作ろうかとも思ったんだけど、なかなか体が動かなくてね……。」

「じゃあ僕が作りますよ?お粥くらいなら簡単にできると思うので。」

「えっ?!」

「菜摘さん、人の手料理とか食べられますか?もし嫌じゃなければ、食べてほしいです。」

「嫌なわけない…むしろ嬉しいよ!けど、本当にいいの……?」

「はい…。昨日約束したじゃないですか。普段僕が菜摘さんに甘えてる分、こういう時は菜摘さんが甘えるって。」

「そう……ね。ありがとう隼くん……。」


コクリとうなずきながら、菜摘さんはピンク色の頬を柔らかく緩ませて微笑んだ。

普段は優しくてしっかり者で頼りになるお姉さんみたいなのに、昨日と今日はなんだか甘えてくる菜摘さんがとても可愛く思えた。

しおり