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『20xx年 7月29日。
私が熱を出して2日目。
隼くんは、今日もうちに来てくれた。
隼くんの看病はとても心地良くて安心感があって、欲を言えば風邪が治るまでずっと一緒にいて欲しいくらいだった。
隼くんには、本当に敵わない……。
隼くんが無意識に発する一言一言は、最近私の心を惑わせるのだ。
隼くんの家族は隼くんとお父さん以外は皆女性である。
だからなのだろうか?
隼くんは、割と躊躇いもなく女の人がドキッとすることを言ってしまう節がある。
昨日うちに来てくれた時もそうだ。
私は隼くんの言葉に、ついつい大人気なく恥ずかしがってしまった。
隼くんはそれに対しても更に追い打ちをかけるかのように私の名前を連呼し、顔が見えないと寂しいとか言ってくる……。
思い出しながら書いているだけでも、胸に広がる暖かさと顔の綻びを止められない……。
この感覚は、私が学生時代に最後に感じたものとまるで一緒。
隼くんのことをもっと知りたいし、もっと私のことも知ってほしい。
隼くんにどう思われているのかも気になるし、色んなものを共有したいと思う。
この気持ちは、この感覚は……
ほとんど間違いなく、 』