321 野生の勘?
ドワーフさんたち、なんで悲鳴?石ちゃん、嬉しくないのかな?
『それは、悲鳴も上げたくなりますわよね~』
『そうだにゃ~』
『んん?でも、オイラ、宝の山だって最初から言っただよ?』
ドワーフさんたちに同情的なアイナ様とニャーニャにゃんに、そもそもの情報提供者ぽぽちゃんは、言ったはずだけどな?って言ってます。
「あ~!ぽぽちゃ~ん」むぎゅうっ
あ~気持ちいい~♪もふもふ~♪
『あ~!さーやちゃん、ずるいだ!あたちも』
『おいらだって!』
「わ~い♪」
サーヤとなずなちゃんと、つくしちゃんで、ぽぽちゃんをむぎゅうです。
『うわわわ』ぽてんっ
ぽぽちゃんが座っちゃったので、サーヤたちはぽぽちゃんに抱きついたまま地面にペっちょんです。ねんね状態です。
『あらあら。なかよしですわね~』
『なかよしにゃ~』
アイナ様たちがくすくす笑ってます。
『サーヤ~ぼくたちもいるよ~』
「はく~。みんにゃも、ごろごろ~」
ぴゅいきゅい『『わ~い』』
『『ごろごろ~』』
『わたしたちは』
『ぽぽちゃんの』
『あたま~』
みゃ~ん『ココロもにゃ~』
きゅるる~ん『『『ぼくたちも』』』
きゅるる~ん『『『『いれて~』』』』
ちびっこ同盟お団子状態です。
もふもふ団子~♪ごくらくごくらく♪うへへへへ~♪
〖あ~かわいい♪〗
〖サーヤのお顔がすごいことになってますね〗
〖崩れてますね〗
神様たちも復活してきたみたいです。
〖さて、ゲン。サーヤがあれじゃあなたに聞くしかないけど、さっきのはなんなの?〗
『さっきのってなんだ?』
ジーニ様の問いかけに、なんの事だと言うおいちゃん。
『あれだよ!』
『心臓に悪いこの石たちだよ!』
親方とおかみさんが、プチッとなりました。
『ああ!これか!この世界に磁力があるかわかんないけどな?前の世界で磁石で砂鉄を集めてサーヤと遊んでたんだけどな?どうやらサーヤはそれと同じようなことが出来ると思って実践したみたいなんだよな~。野生の勘?』
野生の勘?
みんなの目が、きゃっきゃゴロゴロしているサーヤに⋯。野生?
『そう言えば、さっき「覚えた」って言ってませんでしたか?』
『⋯言ってたね』
『言ってたなぁ』
みーちゃんの言葉にだいちゃんと、はーちゃんも同意してます。
〖覚えた?〗
〖これは本人に聞くしかないのでは?〗
〖そうですね。サーヤ〗
神様たちがサーヤを呼びます。
「うにゅ?にゃに~?」
ゴロゴロの中から抜け出して、とてとてとやってきたサーヤに
〖サーヤ、この石どうやって集めたの?〗
「う?あちゅまれ~したら、きちゃ」こてんっ
なんで何回も聞くのかな?
〖⋯えっとね?どうして、同じ種類だけ集められたのかしら?〗
一瞬固まったジーニ様。だけど、さすが立ち直りが早いです。
「えっちょ?いりょ?おんど?ひとみちゃいに、ちがう?」
『人の気配とか匂いとかみたいなもんか?』
自分でもよく分かってなさそうなサーヤに、おいちゃんが聞くと
「ん~?ひちょからでてりゅ、ほわほわみちゃいにゃ?」
ほわほわ?みんなが首をひねっていると
『もしかして』
『サーヤも、まそ』
『みえてる?』
『『『いっしょ?』』』
「う?」
妖精トリオがサーヤも見えてるんじゃないかって。
「しょいえば?おにゃじ?」
ジーニ様が前に見せてくれた、魔素に似てるかも?
『まあ!サーヤちゃんもですの?』
『大変にゃ。サーヤちゃんも練習するようかもにゃ』
「う?」
サーヤも妖精トリオと一緒?
『いえ、まだ魔力視に目覚めかけ位かと』
『妖精トリオは、その上の段階にゃね』
「しょっかー」
『『『わ~い♪なかま♪』』』
「あい!」
思わぬところでサーヤの練習決定!
〖⋯それじゃ、石が帯びた魔力の違いかしら?〗
ジーニ様が言うと
「お~!しょうかみょ?」
なんか違うもん!
〖なるほど〗
そう言うと一番少ないアダマンタイトの塊に手を当てたジーニ様、次の瞬間…
ズザーッ
すごい勢いで何かが吸い寄せられてきて、
ガギーンッ!
アダマンタイトが大きな塊になっていた。
「ふお~」
大きくなった~
〖なるほど。こんな方法があったなんて⋯。とりあえず、この辺り一帯の地表にあった分ね。でもこれは、今はまだ表面だけにしましょう。あと、これから耕す畑の中とかね〗
「うにゅ?」
どうして?
〖だって、ところ構わず広範囲に地中までやっちゃったら大変なことになっちゃうでしょ?やるなら範囲を決めて安全にやらないと〗
〖サーヤ、突然地面から大きい塊が出てきたら、穴があいて誰か落ちちゃうかもしれないでしょ?お友達がお怪我したらいやでしょ?〗
ジーニ様の言葉にシア様が分かりやすく付け足してくれます。
「あい。あぶない、だめっ。おけが、だめっ。さーや、きをちゅける」
穴ぽこボコボコ、落とし穴危ないです!
〖そうですね。偉いですよ。サーヤ〗
「えへ~♪」
エル様も褒めてくれました。
『じゃあ、サーヤは無意識に素材の魔力を嗅ぎ分けて、集めたのですか?』
『⋯すごいね』
みーちゃんと大ちゃんが微妙なお顔。
『ワハハ!いいじゃないか!』
はーちゃんはあっけらかん!
褒めるべきか、呆れるべきか?まさかのほんとに野生の勘だった⋯
『それで、これだけあれば、とりあえずバリカンは作れるかな?足りなきゃ他にも⋯』
『『『もう充分だ!』』』
『『『そうだよ!』』』
『お、おう、そうか?』
すごい勢いでドワーフさんたちに、突っ込まれたおいちゃん。腰が引けてます。
〖そう言えば、師匠、分別とは?インベントリから中身を出した様子はなかったと思うのですが?〗
エル様が思い出した疑問を聞くと
『ん?なんかな?インベントリの中身が勝手に整理されるみたいでな?こう、名前付きの棚があって、そこに種類ごとに入ってる感じだな』
〖〖〖は?〗〗〗
目が点な神様たちと、その他の人たち。
そんなことにはお構い無しに、おいちゃんの爆弾は落ちまくる。
『便利だよな~?時間を止めたままおける棚と、時間をはやめられる棚もあるから、料理とか大助かりなんだよな。この世界すごいよな』
うんうん。って一人ご満悦なおいちゃん。
〖〖〖いやいやいやいや〗〗〗
〖そんなのあなただけよ!〗
〖あ、頭が痛いです。お母様⋯〗
〖さすが師匠です。素晴らしい⋯!〗
神様たちすら頭を痛めるおいちゃんの非常識⋯。まあ、一人違うのがいるけど⋯。
その頃⋯
『め~。わたしたちはいつまでこのままかしら?』
『め~。忘れられてるな』
『めめ~。トレントさん達にも申し訳ないわ』
『めめ~。すまんな。トレントたち。マンドラゴラたちも』
わさわさ
『気にしないでいってるぴょん!』
『め~やさし~』
『ありがとだじょ~』
もふもふ達が動けるようになるのはいつになるのか?