282章 生活水準の低さ
「アカネさん、ハグをしていただけませんか?」
普段はハグをしたいと思わないけど、今日はハグに前向きな気分だった。
「うん、いいよ」
カスミはゆっくりと体を重ねる。
「アカネさんの体は、とってもマイルドです」
カスミと体を重ね合わせていると、母親としての優しさを感じる。家庭においても、とっても優しい母親なのかなと思った。
カスミの体が離れると、ハルキがゆっくりと口を開いた
「アカネさん、私もお願いしたいです」
「うん、いいよ」
一度目のハグでおなかいっぱいだったので、できることならしたくはなかった。
ハルキと体を重ねると、内部の苦しみが伝わってくるかのようだった。
「アカネさんに包まれていると、苦しみを解放できそうです」
旦那を失った苦しみは、簡単に消えることはないのかな。結婚したことがないので、その部分については分からなかった。
「カスミン、ハルキさん、お風呂に入る?」
入浴することで、心をリフレッシュできる。心をリフレッシュすれば、体の調子アップにつな
げられる。
「家庭にお風呂が備えているんですか?」
「うん。家の中にお風呂があるよ」
「アカネさんの家はいろいろとすごいですね」
当たり前だと思っていたことを、すごいといわれる。住民の生活レベルの低さを、感じずにはいられなかった。