『ザ・フォーリナー 復讐者』 今度のジャッキーはようしゃなし【70点】
【あらすじ】
ジャッキー・チェンがおなじみの笑顔を封印し、孤独で冷徹な復讐者をシリアスに演じたサスペンスアクション。
元特殊部隊員のクァン・ノク・ミンは、現在はロンドンでレストランのオーナーとしてつつましく暮らしていた。
ところがある日、高校生の愛娘が政治的な無差別テロに巻き込まれ、命を落としてしまう。
静かな怒りに燃えるクァンは、犯人を探すうちに北アイルランドの副首相リーアム・ヘネシーの存在にたどり着き、復讐を開始するが……。
ヘネシー役に5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナン。
「007 カジノ・ロワイヤル」のマーティン・キャンベル監督がメガホンを取り、「エネミー・オブ・アメリカ」のデビッド・マルコーニが脚本を手掛けた。
【因幡さんの映画語り】
ジャッキーといえば今の若い人は知らないだろうが、コメディ映画の象徴である。
あの人の良さそうな顔から繰り広げられる顔芸。
アクションのセンスも抜群で、スタントを使わないことで有名だった。
今回はガチでシリアスなので、ジャッキー映画の最後によくある『NG集』はない。
主人公クアンは、娘を2人海賊にさらわれ、妻は最後の娘を産んだ直後亡くなっていた。
一人娘をショップに連れていったところ、無差別テロによる爆発が起こり、娘を亡くしてしまう。
最後の家族を失ったクアンは、北アイルランドの副首相を怪しいとにらみ、執拗に追跡を開始する。
最初はただの老人だと、相手にしなかった副首相だが、手練れの部下が倒されたことにより、彼が特殊部隊出身のプロの殺し屋だったと知る・・・。
全面的にシリアスなストーリーなので、コメディ調のジャッキーは期待しないことだ。
ジャッキーもすっかり老人なのだが、キレのあるアクションは健在。
ストーリーも割と見応えがあり、組織の内部抗争や痛々しいシーンもある。(多少都合のよい展開だったが)
ハードボイルド好きにとってはいいのではないだろうか。
ただ、私はジャッキーの格闘シーンを見ると、どうしてもコメディ調を思い出してしまうので、そこはシリアスに入り込めなかったのが難点であった。