238章 カスミの長所
「ミナさん、カスミさんは、よく眠れているの?」
ミナが最初にこたえる。
「ばっちりですね。昨日は10時間も眠りました」
1日10時間は長すぎるような気がする。ミナはロングスリーパーなのだろうか。
カスミは笑顔を浮かべながら、
「私もきっちりと睡眠を取っています」
といった。こちらについても、睡眠はばっちりのようだ。
「睡眠を取れているので、体はとっても柔らかいです」
カスミが足を閉じた状態で、柔軟体操をする。ぴったりと両手がついたことから、かなりの柔軟性を持っている。新体操の選手であっても、あそこまで柔らかくならない。
「カスミさん、柔軟性はすごいね」
褒められたことがうれしいらしく、満面の笑みを浮かべていた。
「ありがとうございます」
カスミは布団に視線を向ける。
「誰か眠っているんですか?」
「ココアさん、シオリさんが布団で眠っているよ」
ココア、シオリがいることを知って、ミナは驚いた表情を見せる。
「ココア、シオリがいるんですか?」
「うん。昨日から来ているんだ」
ミナ、カスミは音をたてないように、布団に近づいていった。慎重に慎重を期しているのが、はっきりと伝わってきた。