227章 睡眠不足はここにも
「アカネさん、ベッドを借りてもいいですか?」
「どうぞ・・・・・・」
ココアだけと思っていたら、シオリも続いた。
「私もお願いします」
「ベッドは一つしかないけど・・・・・・」
アカネの家には、ベッドは一つのみである。二人以上が睡眠を取るには、適していない。
コハルが宿泊していたときは、アカネは地べたで眠ることにした。ハグで睡眠するよりも、ゆったりと眠ることができる。
「一つのベッドを、二人で使わせていただきます」
ココア、シオリは小柄ではあるものの、体は成長している。二人で眠ると、体が重なる形になる。
「シオリ、ハグする格好になってもいい?」
シオリはハグをしようといった女性に、柔らかい視線を送っていた。
「いいよ。ココアの体温が大好きだよ」
「ありがとう・・・・・・」
「ココアのことを、心から信頼しているんだ」
ママ友は仲が悪いという話を聞くけど、二人には無縁に思えてきた。一〇年後、二〇年後も最
愛のママ友だといいな。
「3~4時間くらい、睡眠をとらせてください」
コハルだけでなく、ココア、シオリも睡眠不足で悩む。近くで起きた事件は、多くの住民の心
に影を落とす。
ココアは睡眠を取る前に、
「アカネさんがそばにいるだけで、ゆっくりと眠ることができそうです」
といった。信頼されているのがはっきりと伝ってくる。
ココア、シオリは布団に入ると、すぐに眠った。あまりの早さだったので、不眠症はどこ吹く風だと思った。