211章 いろいろな悩み
生サーモンを購入するために、スーパーにやってきた。
いろいろな人に声をかけられると、スムーズな買い物は難しくなる。手っ取り早く終わらせるようにしたい。
店長の姿を発見したので、生サーモンの位置を質問する。
「店長、生サーモンはどこですか?」
店長は掌を使って、生サーモンの位置を伝える。
「生サーモンはあちらです」
「ありがとうございます」
おれいをいったあと、生サーモンのあるところに向かった。
生魚コーナーでは、サーモン、カツオのたたき、イカなどが販売されていた。豊富な種類の生魚を購入できる。
生魚コーナーでは、加工されているもの、加工されていないものが販売されていた。一瞬の迷いもなく、加工されたサーモンを手に取った。値段は高くなるものの、調理をする手間を省いた
ほうがいい。
レジに向かっていると、女性から声をかけられる。
「アカネさん、こんにちは・・・・・・」
「フタバさん、こんにちは・・・・・・」
子供は見かけなかったので、一人でやってきたものと思われる。
「アカネさん、珍しいですね・・・・・・」
「そうかもしれませんね」
両指で数えられる程度しか、スーパーを利用していない。身近な存在であるはずなのに、遠い存在のように感じられた。
「フタバさん、ラーメン店を営業しないんですか?」
「来月には再開するつもりですけど、どうなるのかはわかりません」
店長は回復したものの、ラーメンを作れる状況ではないのかな。詳しいことについては、何も
わからない。
フタバは大きな欠伸をする。
「フタバさん、眠いんですか?」
「はい。睡眠不足です」
「安静にしてくださいね」
「そうしたいのはやまやまですけど、アイコのことが気になってしまいます。結婚する男性とう
まくやっていけるのでしょうか?」
11歳では、体、精神が発達しているとはいいがたい。母親が不安になるのも無理はない。
「子供をきっちりと育てていけるのかも、不安要素の一つです」
父親は13歳、母親は10~11歳である。子供を育てていけるのかは、未知数な部分が大きい。
「アイコにはいわなかったけど、年上の男性と結婚してほしいと思っています。25歳くらいの男
性なら、娘を安心して嫁がせることができます」
年の差で結婚することで、相手方を安心させる役割があったのか。この部分については、考えたことはなかった。
アカネの家では、コハルが待っている。長々と話をするわけにはいかない。
「フタバさん、用事があるので・・・・・・」
「わかりました・・・・・・」
アカネはレジに向かっていくときに、コハルのことだけを考えていた。