202章 ココア、シオリとお別れ
「ココアさん、あとで家に来ていただけますか?」
突然の提案に対して、ミライは喜び、驚きという、二つの感情が入り混じっていた。
「ミライさんの家を尋ねてもいいんですか?」
ミライは歓迎ムードを、全身から漂わせている。
「いいですよ」
多忙な合間を縫って、ココアのために時間を作る。彼女の優しさが伝わってくる。
「ミライさん、ありがとうございます。時間が空いたときに、家を訪ねさせていただきます」
ココアは子育てをしているため、自由に使える時間は限られている。
「ココアさん、お待ちしています」
シオリがココアの服の裾を引っ張る。
「ココア、スーパーに行こう」
「そうだね。食料品などを買わないと」
バナナ生活を送っていた女性が、スーパーで食料品を購入できる。「セカンドライフの街」の生活水準は、確実にランクアップしている。
「家のことがあるので、そろそろ失礼します」
シオリはそのようにいったあと、ココアとスーパーに向かっていった。アカネ、ミライ、コハルはその様子を静かに見守っていた。