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第22話 これに勝るものはない

「………これ、すごいリアルだね……」


隼は瑠千亜と五郎から貰ったディルドをマジマジと見て呟いた。


「そうか」

「うん!これから一人でするときもリアルにしてる時のことを思い出せそう」

「……俺のはそれよりももっと立派だけどな」

「玩具に嫉妬してるの?優、可愛いね」

「うるさい。隼に言われたくない」

隼に可愛いと言われるのは、まるで子供が親に対して親の真似をして言っているのと似ているものを感じた。

俺の言葉に隼はふっと柔らかく笑った。


「ゴムはもうつけてあるんだよな?じゃあそれにローションを垂らしてみろ」

「………こう?」

「ああ。そうだ」


俺は隼にディルドの使い方を指南する。


隼はこれまで、こういった玩具を使ったこともないし、きっと使っている動画すら見たことも無いのだろう。

俺と関係を持つまでは、ノーマルな性癖の持ち主だったのだから無理はない。


「もうお前の穴は充分慣れてるよな?少しずつ挿れてみろ。………俺のが入ってくるのを思い出しながらな」


隼は少し挿れるのを躊躇っているようだったが、恐る恐る自分の穴に近づけていった。

ググッ、とディルドが押し付けられる。

「……んんっ………」

隼は俺のを受け入れるときのように、顔をしかめながらもゆっくり入ってくるディルドを感じていた。

「……あああっ………気持ちいい…」

ディルドが全部入った時、隼は体を震わせて声を出した。

「あっ!あっ、優……!ああっ!気持ちいいっ!」

「隼、それ机の上にくっつけてみろ。上向きにしてな」

「えっ………」

「吸盤があるだろ?それをくっつけるんだ。それで自分が上になって動け」

「ええ……あっ……」


隼は手の動きを止められないまま、俺の指示の通りにしようと向きを変える。


「……そうそうそう。そのまま机の上にしゃがんで、画面に背を向けてくれ。その状態で上向きのディルドを挿れるんだ」

「……え、こう……?」

「そうだ。そのまま挿れて、あとは好きなように動かせ」


隼は俺の指示の通り、こちらに背を向けてディルドを挿れた。


「………あああっ!!」

隼は目の前で上下に激しく動く。

ディルドを自分の気持ち良い所に当てて、腰を懸命に動かしている姿はとても乱れていて……


「……隼………」

俺は隼の動きに、たまらず自分のモノを触っていた。

「あっ!あああっ!……っん!」

「気持ちいいか?隼。俺としてる時のことを思い出せ」

「んっ気持ちいい!優としてるときみたいっ……あっ!ああっ」

「俺としたいか?」

「あっ!……したいっ…!優としたいよっ……!!」

「俺もだよ隼。早くお前としたくて堪らない……!」

「ああああっ!優っ………そゆことっ……言わないでっ…」

「隼っ……好きだっ………大好きだっ!…」

「うわああっ!だめっ……!ああああっ!」

「イけ!隼………っ壊れてしまえっっ」

「あっああっ!あっあああっ!!イくっ!イくぅっっ!」


ビクビクビクッと隼の尻が震える。

その勢いで、ディルドがスポっと抜けた。

ディルドが抜けた後の尻は、筋肉からビクビク動いていて、腰も大きくのけぞっていた。

イった瞬間に画面側に向かって倒れてきたディルドには、隼のものなのか、それともローションなのかが分からないくらい、光る液体が付いていた。


「……はっ……はぁっ………はあっ……」

「隼、どうだ?気持ち良いか?」

「……んっ……はぁ……気持ちいい……やばい……」

隼はまだ息をする度に腰のあたりを震わせ、絶頂の余韻を感じていた。

俺からは隼の後ろ姿しか見えないが、その後ろ姿はこの上なく乱れていて、とてつもなく誘惑的だった。


………俺も危うく、隼と一緒に果てるところだった………


気を取り直して、隼に次の指示を出す。


「隼。次は乳首を弄りながらディルドを挿れてみろ。乳首にもたっぷりローションを塗るんだぞ」

「………わかった……」

もはや恥じることも躊躇うこともない。

隼は俺の指示通りにしていれば、最高の快楽を享受できるということに気づいている。


「………つめたっ………」

隼はローションを両乳首に垂らし、その後自分の両手を左右それぞれに持っていき、摘むように弄っている。


「……はあっ………あっ………」

「なんだ隼。乳首弄ってるだけでビクビクしてるぞ」

「んんっ………気持ちいいっ………」

「乳首もヌルヌルで気持ちいいか?」

「うんっ………あっ!あっ……」


隼は乳首も敏感な男だ。

普段、乳首だけでもイけるくらいなのだが、今回は潮を吹き尻でイッた後だからか、余計に敏感に感じていた。


「隼。そのままさっきとは逆に、俺の方を向いてディルドに跨って上下に動くんだ。」


俺は再び隼に指示を出し、隼はその通りの態勢を取った。

隼が上下に動くのを見ていると、まるで俺の上で動いているのを見ているように感じるだろう。

その期待感に、とても興奮した。


「いいぞ動いて」


俺のその言葉を合図に、隼は両手で乳首を弄りながらディルドに跨り上下に動いた。


「あっ!ああっ!だめっ!やばいっっ」


動くなり隼は顔をしかめ足を震わせる。


「ああああっ!!優っ!!これ気持ちいいっっ」

「そうか、それはよかった」

「あっ!!優……みちゃだめっっ」

「何を今更。」

「あああっ!だめっ!だめぇっっ!!」


隼が泣くような顔をしながら快楽に狂わされている。

たまに俺と合うその目は、淫乱に潤んでいた。


「いいぞ隼っ………お前の気持ちよさそうな声……最高だっ」


俺も堪らず自分のモノを扱く。


何度もイきそうになるが、その度に手を止める。


「あっ!あああああっ!!きもちいいっっ!」

隼の声が大きくなる。

「あああああああっっっ!あっ!イくっっ!!!」


再びビクビクッ!と下半身を震わせ、スポっとディルドが穴から抜ける。

隼は自分の後ろに手を付き、両足で支えられた尻を上げてビクビクしている。

その態勢だから、画面には隼のイッている穴がよく見えた。

ヒクヒクと小刻みに震えているそれは、まるで本物の俺のモノを欲しがっているようにも見えた。


「………エッロ…………」

隼のイッている姿を思わずまじまじと見つめ、そう本音を呟いた。

俺のソコは、今すぐにでも隼に挿れたくて挿れたくてしょうがなかった。


「………っんっ………」


隼は俺の指示の前に、自ら同じ態勢で俺の方を向いてディルドに穴を突っ込んだ。


「……はぁぁあっ!ああああっっ!!」

ビクビクと痙攣させながら、激しく腰を上下に動かす。

その度に隼のモノから液体が飛び散る。

隼は上を見上げ、ただただひたすら快楽に耽っている。

俺が見ていることを忘れているのだろうか、それとも見ているからこそなのか……

隼の止まらない快楽への欲求が、今目の前で盛大に展開されている。


「あっ!あああっ!だめっ!もう……気持良すぎっ……」

俺はそんな隼に、ただただ見惚れるしかなかった。


「あっ!あっ!イくっ!またイッちゃうっ!優っ!だめっ………あああああっっ」


ディルドが豪快に穴から外れ、再び隼は絶頂に達する。

最早足も手もガクガクと震えていたが、それ以上に直接刺激を受けた隼の穴がヒクヒクと俺を誘っているように感じていた。


「………隼っ……!」

俺はもう、我慢の限界だった。


再び自らディルドに穴を近づけている隼は、もうきっと理性などない。

無意識にも、獣のように自分の気が済むまで自らを犯し続けるのだろう。


俺も隼のそんな淫猥な姿を見ながら、一心不乱に自分のモノを扱く。

「あっ!あっ!優っ!!ああああっ」

「……はぁっ!……隼っ」

「ああっ!………あっあっあっ……!」

「隼っっ……はぁっ……だめだ、気持ち良いっっ」


互いにひたすら天国へ向かって動き続ける。

自分の部屋で一人という、普段のオナニーと変わらぬ環境なのに、画面越しで自分と同じような気分になり同じように感じている人がいるというだけで、普段の倍……いや、何百倍も感度が上がったような気がした。


「あっ!だめっ!!もうイくっっ!イくぅぅぅっ!!!!」

「俺もっ………!イくっ……!」


2人して、同時に天井へと辿り着く。

いつも以上に脈打つ恥部。

普段の倍以上溢れ出る精液。

完全な一人のときとは比べ物にならないくらいの熱。

これらに俺は、頭が真っ白になった。



「………隼…………」


まだ夢見心地なフワフワした頭のまま、隼の様子を気にかける。


隼は俺と同時にイッたことに強く刺激を受けたのか、未だ腰仰け反らせ天を仰ぎ尻を震わせ快感に浸っていた。


………大きくイッたな………



俺は隼のそんな姿を見て、そう考えた。


俺とする時もだが、隼は尻でイく際、大きくイく時と小さくイく時がある。

初めのうちは何度か小さい絶頂を繰り返すのだが、それを重ねる毎に快楽が蓄積されるのだろうか。大きくイッて、しばらくこちらへ戻ってこない時がくる。


「……隼」

俺は隼を呼びかけて意識が戻っているかを確認した。


「………はぁっ………優……これ…やばいかも……」

「なにが?」

「気持良すぎて………家にこんなものがあって…いつでもできる状態になっちゃったら……もう俺………」

「中毒になるってか?」

「………うん………」


確かに今の様子を見ているとそうかもしれない。

隼のように周囲よりも遅めに開花した奴に限って、快感から逃れられなくなる……ような気がする。


「……ねえ優、俺まだこっちでイッてないんだけどさ………」


隼は自分のモノを指差して俺にそう言ってくる。


「ああ、そうだったな。イきたいか?」

「イきたいよ……!」

「そうだな、けどその前にせっかくもらったんだから、そっちのエネも使ってみるか」

「エネ…ってこれ?」

「ああ。……と言ってもそれ、電動機能付きか。……うーん、それなら今度俺と会うときに使ってほしいかもな」

「え、なんで?」

「秘密」


電動機能のある玩具で機械的にとことん虐めたいからだ………

そんな企みは心の中に留めておいた。


「じゃあこれは今度使い方教えてね」

「ああ。……とりあえず今日はそのまま最後にそっちで抜くか」

「うん…!」


隼はやっと抜けることが嬉しいのか、心なしか弾んだ返事をしたように聞こえた。


「じゃあ潮吹きからの射精にしよう。さっきみたく最初は亀頭だけを触るんだ。それで1回潮を吹いたら次は普通に扱いて射精していいぞ」


隼に最後の指示を出す。

隼はもう、俺には逆らわないようだ。

素直に態勢を変え、机から降りて椅子に座った。


「………あっ!っっ……くすぐったい……」

「まあ、後ろでイッたばかりだからな。それでもそのまま弄り続けるんだ」



隼は俺の言う通り、亀頭だけをグリグリと攻める。


「……あっあああああっ……!」

ヒクヒクと下半身が動き出す。

「あっ!これっ……きつっ………」

「キツイなら竿も少しなら触っていいぞ」

「うんっ……あっ!!ああああっ!あっ!」

「気持ちよさそうだな」

「きもちいいっ!!あっ!ああっ!」

俺の指示に従い、隼は右手で亀頭を集中攻撃しながら、左手で軽く竿を擦っている。

「……はぁっはあっ……ぁっ!ああっ!」

ガクガクと腰が震え出した。


「あっ!だめっ!出るっぅっっっ!ああああっっっ!!!!」


ビュッ!ビュッ!っと勢い良く何度も潮が溢れ出る。

まるで泉のように、隼のモノから高さを付けて流れ出し、一瞬にして隼の周りを濡らす。


「よし。そのまま出せ!」

隼は俺に言われる少し前に既に自分のモノを擦っていた。

「あっ!ああっ!あっあっ!」

擦る度に腰と足が動き、その影響で隼の座る椅子もガタガタと音を立てる。

しかし本人はそんなことを気にしていられないくらい、快楽に没頭している。

「はぁっ……あっ!イくっ!出るぅっ!あっ!あーーっ」


ビクビクっ!と腰を3度ほど浮かせ、かなりの飛距離を出して射精する。

散々体内に留め置かれていた精液は、真っ白なまま隼の手と服を汚す。


「……はぁ……はぁ……」


息を整えながらもまだアソコと腰が余韻でビクッとたまに動き、目を虚ろなまま斜め下を見ている隼の姿は、思わずずっと見ていたいと思うくらい色っぽかった。


「………隼………すごい可愛かったしエロかったぞ。俺のビデオ通話につきあって、こんなことまでしてくれてありがとな」

まだ少し放心気味の隼にそう声をかけた。

隼は俺の言葉を聞いて若干照れたように笑った。




俺は目的が果たせて大満足だった。

その喜びが顔に溢れたのか、隼が俺を見て

「優が喜んでくれてよかったよ」

と優しく言った。




しかし、そんな優しい言葉と笑顔を見ると、俺は一抹の罪悪感を得た。


なぜならそれは…………


俺が、わざわざビデオ通話にした理由。


俺は、隼のこの乱れた姿を、このスマホ上にしっかりと収めていたからだった。



幸い隼にはバレていない。

初めからずっと、一連の流れが録画されている。

俺はしばらく、隼とできない時もこれをオカズにできるだろう。

正直、これに勝るものはない。


そう考えた俺は、隼に見えないように満足そうに微笑んだのだった。

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