第17話 恍惚
「俺の服を脱がせて…今日はお前が俺に挿れるつもりか?」
早速俺のズボンに手をかけている隼に聞く。
「……いや…俺はあくまで優に挿れてもらいたいよ。けど、この前は優が先に色々してくれたでしょ?だから今回は俺が先にしたいなって思っただけだよ」
隼は俺の方を一瞬見て恥ずかしそうに微笑む。
その甘い微笑の美しさに、俺は心を奪われ少しの間何も言えなかった。
「……随分恩返しが好きなんだな」
「恩返しって程でもないけどね」
隼は俺のモノを剥き出しにし、軽く手で握って見せた。
「……相変わらずほんとに大きい……よくこんなのが俺の中に入ったよね」
俺のを見て感嘆する隼。
まるで女子のようなその反応に、思わず俺のモノが反応した。
「あっまた大きくなった。…優さっきシャワー浴びたばっかりだからなんかいいにおいする」
「……アソコをいい匂いと言われるのもなんだか複雑だな…」
「嫌だった?」
「嫌じゃない。ただそんなにマジマジと眺められるのは恥ずかしい」
「優だって俺の色んなところそうやって見てるじゃん…」
「……いいから早くするならしてくれ……」
隼にアソコをジッと見つめられるのは、俺にとっては目を見つめられるのと同じくらい恥ずかしい。
好きな人に分かりやすく反応するアソコと表情……どちらも似ているような気がした。
「優もせっかちだね」
そう言いながら隼は俺のモノを咥える。
「……っ」
合宿中は一度も抜けなかったためか、普段以上に敏感に感じてしまう。
隼の口内の温もりに触れた途端、体の奥が熱くなるのが分かった。
「…ほんとにおおきいこれ…どうしよ…」
隼は呟きながら一生懸命舐めてくれる。
「隼…お前本当に可愛いな」
俺はそんな隼の姿に、思っていることを素直に言わずにはいられなかった。
隼は一瞬こちらを見て少しだけ笑って、そのまま俺への愛撫を続けた。
上目遣いのその笑顔は、まるで天使のような悪魔の笑顔。普段は誰にも見せない心の中の悪魔現れているようだった。
「………っ隼……気持ちいい」
やはり同性だからこそなのか、刺激されて感じる部分を攻めてくる。
「優、いつでもイッていいからね」
優しいその言葉と声に比例するような穏やかな刺激。
隼らしい優しい愛撫に、俺のあそこは既に限界に近づいていた。
「………っっ隼………」
俺は隼の口を俺のモノから引き離す。
「え、優?」
「お前の中でイきたい……」
隼が次の言葉を発する前に、俺は隼を押し倒した。
再び逆転する態勢。
隼は驚いたような、どこか期待したような目をしている。
俺はそのまま、隼のズボンを脱がせた。
パンツの上から軽く触れてみると、既にじんわりと温もりが溜まっていた。
「……あっ」
「隼、お前の方ももう準備万端じゃないか」
俺はそのままパンツも脱がせる。
俺の前に現れる顔に似合わない大きなモノ。
前に見た通り、脈々とした血管とトロリと光る体液が俺の気分を更に高揚させた。
俺は敢えてモノには触れず、隼の穴をいきなり舐めた。
「……っ!あっ!優!なんでいきなり……!」
隼はビクッと体を震わせて俺の頭を手で押すような姿勢を取った。
「……あっ………優……」
「気持ちいいか?隼」
「うんっ……気持ちいい………」
前回の行為で既に恥を捨てたのだろうか。
前回よりも早い段階で素直に気持ちいいと言ってくれた。
嬉しくなった俺はそのまま隼の穴に手を入れた。
「あっ!!!あっ……優!」
「どうした?」
「どうしたじゃな……ああっ」
俺は正直驚いた。
前回したときよりも確実に穴が広がっていたからだ。
「…あれから一人で沢山掘ったの?」
「…ほってな…あっ」
「嘘ついてもすぐわかるぞ?ほら」
「あああっ!」
指を置くまで入れ、グリグリと回す。
隼の奥の気持ち良いところを探し当て、集中的に攻める。
「…前はこんなに感度よかったか?前より確実に感度が上がってる。それに穴も開いてるぞ。お前一人でどんだけやってたんだよ」
俺は興奮が最高潮に達していた。
こいつは俺とのセックスを思い出し、何度も何度も一人で自分を犯していたのかと思うと………
「……優のがほしくて……自分のじゃ足りなかったけど…優のを思い出してしてた……」
涙目になりながら隼は白状した。
その言葉は俺のエンジンをかけるきっかけとなった。
「……優…?……あっ!あああああっっ!!」
俺はいきなり隼に自分のモノを入れた。
「ああっ!あっ優!はげし……」
「激しく俺を求めてたんじゃないのか?」
「んっ………気持ちい………ああっ!」
「感度半端ないな。もう完全に開発されちゃってるじゃないか」
俺は隼の奥へ奥へと自分のモノを押し付ける。
その度に隼は叫ぶように喘ぐ。
「優………キスして………」
俺の動きに体を揺られながら、隼は精一杯な表情で切羽詰まったような声で俺を振り向き言ってきた。
「ああ。」
俺は短くそう答え、態勢を変えようとした。
今、俺は隼の後ろから挿入している。
なので隼をゆっくりと仰向けに倒し、俺はその上に覆い被さる。
隼の両足を天井に向かって上げ、尻を浮かせてそこに再び挿入する。
「…隼、態勢キツくないか?」
「うん…大丈夫…!」
挿れながら聞くと、隼は若干顔をしかめながらそう答えた。
「ああああああ!!!」
挿れるなりいきなり動いた。
隼は気持ちよさそうに喘ぐ。
俺はそのまま、隼に優しくキスをした。
動きながらのキスは少しぎこちなかったかもしれない。
だが、互いが互いの唇を求めあって絡まる距離の近さに、俺は確かな幸福感を得た。
何度か唇を重ねた。
隼は俺の首に腕を回している。
二人の汗と肌が密着するのと比例するように、性器の密度も上がってゆく。
「あっあっ……ああっゆう……」
隼が今までとは違う雰囲気になった。
「…隼、おまえイクのか?」
俺が尋ねると隼はコクコクと頷く。
「あっ!あっ!だめっ……あああっ」
「隼、イけよ。もっと気持ちよくなれ」
「あっ!はげし……あっあっだめ!イクっイク!あっ………!!!」
派手に乱れた直後、隼は体を大きく跳ねさせ、ビクビクと震えている。
その振動は俺のモノへもダイレクトに伝わり、隼の穴が狭くなるのを感じた。
「はっ………はっ………あっ……」
隼は肩で息をし大きく口を開き、半ば放心状態になっている。
今まで見たことのないイキ方に俺のモノは更に大きくなった。
……このまま動けばどうなるのだろうか。
イッた直後に何も言わずに激しく動けば、今度こそこいつは壊れるだろう。
それを見てみたいと思った俺は、再び腰を動かした。
「えっ…!あっ!ああっ!やめっ!うごかないでっっ」
俺が突然動いたため、隼は首を横に振りながら涙を流して懇願する。
「だめっ!!ああっ!」
「何がだめなんだ?隼。そんなに感じてるくせに」
「ああああっやめてっ…!あっ!」
「やめない」
俺は隼の言葉を無視して動き続ける。
「……っっあっあっ!イクっ…またイクっ!………っっくぅっ!」
再びビクンビクン!と体を震わせ腰を反らせてガクガクし始める。
俺は今度は、隼が落ち着くのを待たずに動き始めた。
「っっ!!優!イッてるからっ!あっ!だめ!イッてるって!!」
「知ってる。」
隼の必死の言葉を受け流し俺は無表情で犯し続ける。
隼の声が段々大きく激しくなる。
………このままこいつを壊してみたい…
そんな気持ちが芽生えた。
その気持ちのままに、俺は止まることなく腰を動かす。
隼は何度もイク。
一度イッてからまた次にイくまでのスパンが段々短くなる。
声が枯れかけたのか余裕がないのか、あんなに大きくしていた声も、もはや今にも飛びそうな意識を必死に繋ぎ止めるかのような押し殺したような声になっていた。
「……っっうっ……あああっ…」
10回ほどだろうか。
隼が止まることなくイキ狂い続けたのは。
最後の絶頂の後、そのまま動かなくなった。
「……失神したか」
気持良すぎて意識を失うなど、漫画やAVの世界だけだと思っていたがどうやら違うようだ。
恍惚とした表情のまま動かなくなった隼を俺は眺めていた。
こいつは俺にイキ狂わされた。
何度も犯された。
そして今、失神するほど気持ちよくなってしまった………
そのことを意識すればするほど、俺はこいつへの愛おしさと興奮の気持ちが湧き上がってきた。
目が覚めたら何をしてやろうか。
まずは優しくキスでもしてやろう。
そう考えながら、俺は綺麗に整ったこいつの顔を見つめていたのだった。