バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

157章 1か月経過

 魔物退治を始めてから、30日が経過しようとしていた。

 一睡もせずに戦ったものの、300くらいしか魔物を退治できなかった。超人のスキルを所持しているにもかかわらず、苦戦を強いられている。

 うまくいかない原因の一つとして、魔物の能力の高さにある。レベル95である女性と、同じくらいの戦闘能力を持つ敵がほとんどをしめる。

 攻撃を命中させることができても、一撃では倒せないことが多かった。何度も攻撃を当てることになるため、魔物退治は必然的に長引く。こちらの世界の魔物は、屈強な鎧を何枚も身に着けているかのようだ。一枚一枚をはがさないと、本体にたどりつけない。

 唯一の救いは、スタミナが少しずつ減っていくこと。長期にわたって相手をすれば、撃破するチャンスが生まれやすくなっている。アカネはその部分をつくことで、魔物退治を進めていった。

 敵の自爆に、助けられている部分も大きい。300体の魔物退治のうち、220体くらいはオウンゴールによる勝利である。魔物が己の限界をわかっていたら、倒せなかった確率が高い。

 これまでに登場した魔物は、狼、犬、扇風機、ナマズ、ゴキブリと幅広い。魔物界には、さまざまなタイプが存在している。

 変わり種としては、手裏剣、剣といった敵もいた。武器と存在していたものが、自分で動き回るとは思わなかった。

 手裏剣は威力はさほどではなかったものの、素早さに異常に優れていた。的が小さいこともあって、1000回も攻撃を回避されてしまった。

 素早さは高かったものの、防御力は最低クラス。一度の命中によって、倒れることとなった。1度で倒すことができた、数少ない魔物といえる。300体のうち、一度で撃破下のは3体のみである。

 剣は顔面、首を切りつけようとしてきた。人間の致命傷をつくことで、絶命させようという作戦を取っていた。

 無敵の身体をしている女性には、何の意味のなかった。剣のやり方は、徒労に終わることとな
った。

 剣は100回くらい切りつけたところで、真っ二つに割れてしまった。防御に徹しているだけで、勝利につなげることができた。

 女性の心をかき乱す敵として、○○(本)、○○(不潔なもの)、○○(身体の一部)などが登場した。魔物と聞いていたので、これらが出てくるとは思わなかった。

 アカネはすぐに消したかったものの、戦闘能力は高めだった。そのこともあって、見たくないものを、長きにわたって見ることになった。身体の負担は0だったものの、メンタルの負担は無限大だった。

 ○○(本)、○○(不潔なもの)、○○(身体の一部)は、跡形もなく消し飛ばす。女性を不快にさせるものは、この世に存在してはいけない。

 雑音で耳を破壊しようとする、魔物も存在していた。こちらについては、音を極力聞こえないようにすることで、ことなきをえた。魔法を使用すれば、音量を限りなく小さくできる。

 雑音魔物については、本体に強烈な蹴りをお見舞いする。地面に叩きつけられたのち、木っ端みじんに破壊されることとなった。

 信号機という敵は、独特だった。青、黄、赤の三色があり、それぞれで役割が異なっていた。

 青のときは攻撃が仕掛けやすく、何度も攻撃を命中させることができた。これまでの敵と比べて、非常に戦いやすい部類だった。

 黄色のときはどちらでもなかった。戦いやすいわけではないけど、戦いにくいわけでもなかった。

 赤色になると、周囲と同化していた。どこにいるのかわからず、苦戦を強いられることとなった。

 信号は最終的に、電池が切れてしまった。あっけない幕切れに、おおいに白けていたのを思い出す。

 他にも個性的な魔物がたくさんいた。漫画では見たことない珍種が多く、珍種300種のテレビを見ているのかなと思うこともあった。

しおり