150章 狼犬との戦闘
魔物を探し回っていると、狼と犬を混合させた生き物を発見する。アカネはこれを見て、狼犬と命名することにした。
狼犬はアカネの姿をとらえると、突進攻撃を繰り出す。魔法攻撃ではなく、物理攻撃で戦うタイプの魔物のようだ。
物理攻撃タイプというのは、物理的な攻撃を必要とする。魔法タイプと比べると、攻撃する機会は多くなっている。短時間で決着をつけられるのではなかろうか。
攻撃をかわしたあと、炎の魔法を唱える。獣タイプは火に非常に弱いため、命中させることができれば、倒せる確率は高いと思われる。
アカネの唱えた魔法を、狼犬は素早い動きで回避した。これまでの敵と同じく、回避率は高めに設定されているようだ。
狼犬は鋭い口牙で、アカネの顔面にガブリつこうとする。そんなことをされてはたまらないので、素早い動きで攻撃をかわす。
アカネは炎魔法を唱えるも、再び回避されてしまった。素早さだけでいうなら、ゴキブリ生物を上回っている。
狼犬は刃物のような爪で、アカネの顔面を切り裂こうとする。口牙がダメなので、爪で敵を倒そうとしている。
狼犬の攻撃を回避した直後に、氷の魔法を唱える。寒さに強かったとしても、-2000℃の前ではひとたまりもないはずだ。
狼犬は鋭い動きで、氷魔法を回避する。三度目の攻撃についても、命中させることができなかった。アカネはこれを見て、長期戦になるのを覚悟した。
狼犬は3度目の攻撃を繰り出してきた。1回目、2回目よりも素早かったので、回避するのが遅れてしまい、犬の攻撃を少しだけ受ける。絶対防御のスキルを所持していなかったら、数時間で
傷をつけられるところだった。攻撃の当たりどころが悪ければ、絶命していたかもしれない。
魔法攻撃を仕掛けと、隙が生じることになる。アカネは物理攻撃で、狼犬と戦うと決めた。
アカネは狼犬に対して、パンチを繰り出す。魔物は動きを見切ったのか、アカネのパンチを回避する。
パンチの次はキックを繰り出す。こちらについても、魔物に見切られてしまっていた。
魔物は口牙で、顔面にかぶりつこうとしてきた。アカネはすんでのところで回避したのち、強力なパンチを繰り出す。攻撃に気を取られていたからか、魔物は回避することができなかった。
魔物はものすごい勢いで、地面に落下していった。アカネの拳は、生物を破壊する威力を兼ね備えている。レベル95というのは、すべてにおいて異次元である。
「ドカーン」
これで終わったかなと思っていると、狼犬がものすごい勢いで近づいてくる。あのパンチを受けて、地面にたたきつけられた。それにもかかわらず、ダメージを受けていなかった。狼犬も絶対防御のスキルを、所持しているのかもしれない。そうだとすれば、撃破するのは不可能となる。仕事は一日目にして、終焉を迎えようとしていた。
物理攻撃に対して、無敵という可能性も残されている。その場合については、炎の魔法などで魔物をやっつける必要がある。アカネは魔法攻撃で、狼犬と戦おうと思った。
パンチを食らった怒りが大きいのか、狼犬の迫力が増していた。アカネを絶対に殺してやる、といわんばかりのオーラを醸し出していた。
魔物の攻撃を回避しながら、隙をうかがうことにした。どんなに強い敵であったとしても、弱点の一つ、二つは必ずあるのではなかろうか。
魔物の攻撃を受けていると、横に隙があることに気づいた。左右から攻撃をすれば、魔物を倒せる確率は高いと思われる。
アカネは攻撃を回避したあと、横方向から炎魔法を唱える。魔物は回避することができず、炭みたいに真っ黒こげになった。
復活するかなと思っていると、魔物はあがってくることはなかった。長期戦の末に、狼犬をやっつけることができた。