149章 魔物退治2
魔物のいるところにやってきた。
ゴッドサマーから聞いていた通り、空気は感じられなかった。宇宙空間の中に住んでいるような、錯覚に陥ることとなった。
ゴキブリ、アブラムシ、汚物を混ぜたかのような魔物を発見する。見るからに気持ちが悪く、
吐き出しそうになってしまった。
素手で倒すこともできるけど、メンタルの負担を軽減したい。炎の魔法を使用すれば、接触なく敵を倒すことができる。
アカネが炎の魔法を繰り出すと、魔物は素早い動きで回避する。カラスペンギンと同じくらいの、戦闘能力を持っているようだ。
敵は唾液、糸、ガム、腐敗物を合体させたようなものを、口から吐き出してきた。あまりの気持ち悪さに、顔をしかめることとなった。テレビ、インターネットなら、確実にモザイクがかかるレベルである。
ダメージを受けなかったとしても、汚物に触れるわけにはいかない。アカネは魔法で、敵の攻撃を無力化する。
アカネは魔物から距離を取った。敵が強いからではなく、単純に気持ち悪いからである。不潔すぎる生物は、女性の心を大きく乱すことになる。
不潔な魔物に対して、炎の魔法を唱える。二回目は命中するかなと思ったけど、素早い動きで攻撃をかわした。アカネは動きを見て、長期戦になるのを悟った。
敵は先ほどと同じ攻撃を繰り出す。アカネは素早い動きで、敵の攻撃を紙一重で回避する。アカネの能力をもってしても、ゼロコンマ数秒の遅れが致命傷となりうる。無敵の身体がなかったら、敗北する確率は100パーセントだ。
魔物はお尻を向けたのち、○○を大量発射する。アカネが魔法で無効化すると、「ドカーン」、「ドカーン」、「ドカーン」という音が、周囲に響き渡ることとなった。○○の中には、爆弾が詰め込まれていたようだ。見た目は威力を感じなくとも、破壊力は抜群である。
魔物は埒が明かないと思ったのか、身体を脱皮させることとなった。脱皮後の魔物は、正真正銘のゴキブリとなった。
人間の敵といわれる、ゴキブリに変身したことで、闘志に火が付くこととなった。絶対に勝利を収めてやる。
アカネは炎の魔法を唱える。ゴキブリを倒したい思いが強いのか、通常の140パーセントの力を出すことができた。にくいものを目の前にすると、自分の力以上のものを出し切れる。
魔物は素早い動きで、アカネの攻撃を回避する。鎧を脱いだことで、身の動きが軽くなったように感じられた。攻撃を命中させるのは、至難の技を極める。
素早さはあがったものの、防御力は下がっているはず。敵の弱点を突くことができれば、勝機は十分にあるのではなかろうか。
攻撃をかわしたゴキブリは、口から汚いものを吐き出す。触れるわけにはいかないので、強力なバリアで防いだ。
ゴキブリがさらなる攻撃を、繰り広げようとしたときだった。ゴキブリは木っ端みじんに砕け散ることとなった。身体に負荷をかけすぎたことで、限界突破してしまった。アカネに対抗する
力はあっても、身体の強さで完全に負けていた。
魔物を思わぬ形で、撃破することができた。幸先のいいスタートを、前向きにとらえることにした。