103章 くじ引き大会終了
くじ引き大会は幕を閉じる。
「アカネさん、おつかれさまでした」
「おつかれさま」
犯罪行為はあったものの、くじ引き大会を終了させることができた。そのことに対して、ほっと一息をついた。
「アカネさんといられるだけで、とっても幸せでした」
付与金を収めたことで、街の英雄みたいに扱われているのかな。できることなら、一人の人間として接してほしい。
「アシスタントは希望者多数だったので、抽選によって決められました。当たりをひけて良かったです」
アシスタントをくじ引きで決めていたとは。アカネの知らないところで、いろいろな力が動いている。
「アカネさんと一緒に仕事をしてみたいです」
「機会があったときは、一緒に仕事をしようね」
ココアは瞳をうるうるとさせていた。
「はい、一緒に仕事をしましょう」
地雷処理、裏世界の研究、水の中の潜るといった特殊な仕事ばかりをしている。特殊能力を持たない人間では、あっという間にあの世行きになる。一緒に働く機会はかなり限られる。
「アカネさんの家を尋ねてもいいですか?」
「仕事をしていないときなら、訪問しても大丈夫だよ」
スローライフをすごすことも重要だけど、いろいろな人と接する時間も大切だ。日常を一緒に過ごせる友人を作っていきたい。
「ありがとうございます。訪問させていただきます」
彼女のために、「セカンド牛+++++」を用意しようかな。バナナだけを食べ続けていた女性に、食材のよさを知ってもらいたい。
「くじ引きは天国と地獄ですね」
「そうだね」
当たる人もいれば、外れる人もいる。一人一人にドラマがあるのが、くじ引きといえるのかもしれない。
「くじは引くまでが楽しいのかもしれません」
「そうだね・・・・・・」
当たり、外れを気にせず、引くまでの高揚感を楽しむ。くじはそこが大部分を占めているような気がする。
「ココアさん、ご飯を食べに行こうよ」
「はい、ありがとうございます」
「ココアさんは何が食べたい?」
「ラーメンを食べてみたいです」
世にも不気味なラーメンを食べることになるのか。アカネのテンションは急降下することとなった。
「アカネさん、どうかしたんですか?」
「ヨモギラーメン店に行くと思うと、気分が落ち込んでしまったんだ」
「ヨモギラーメンの店ではなく、醤油ラーメンの店ですよ」
醤油ラーメンの店があると知って、アカネのモチベーションはうなぎのぼりだった。
「この街に醤油ラーメンの店があるの?」
「はい。1週間前にオープンしました」
最近にオープンしたのか。アカネが知らなかったのも頷ける。
「濃厚な醤油なのに、さわやかな味をしているみたいです。それゆえ、たくさんのお客が集まっ
ています」
1週間で人を集められるのであれば、かなりの期待ができる。アカネの心の中のテンションは大きく上がることとなった。