ある日のホワイトデー日記 番外編
『おいちゃ~ん』
ぴゅいきゅい『『おいちゃん』』
『『あのね~』』
『『『おねがいがあるの』』』
『『『『『『『きゅるるん♪』』』』』』』
ちびっ子たちが畑仕事をしているおいちゃんのそばに来て、キラキラうるうるしたおめめでお願いです。
『ん?みんなどうした?それにサーヤがいないな』
サーヤがちびっ子たちと別行動とは珍しい。
『サーヤはね~ジーニ様と結葉様がね~』
〖今日は私が添い寝するのよ!〗
『えぇ~?サーヤは私の方がいいわよねぇ?ほらぁ、私若返ってお肌もぷるんぷるんになったしぃ?私とお昼寝した方が気持ちいいわよねぇ?』
〖なぁんですってぇ?〗
「あ、あう~」
ねんね出来ないよ~
『あ、あの、ジーニ様、結葉様』
『添い寝なら私たちが…』
〖『何?』〗ギンッ!
『『な、なんでもありません』』
サーヤ、ごめん!
「あ、あう~」
フゥとクゥが負けちゃった~
ぴゅいきゅい『『って、やってたから』』
『『いまごろ』』
『『『おひるね?』』』
『そ、そうか。昼寝出来てるといいな』
『『『『『『『きゅるるん~♪』』』』』』』
無理~♪って言ったのか?
『それで、ハクたちのお願いってのはなんだ?』
おいちゃんが、気を取り直して聞くと
『あ~そうだったね~』
『ハク、さては忘れてたな?』
『そんなことないよ~?』ふいっ
あったんだな。
ぴゅいきゅい『『あのね~』』
『『この間のお菓子のお礼をね~』』
『『『したいんだ~』』』
『そうなんだよ~』
『『『『『『『きゅるるん』』』』』』』
『なるほど』
そういうことか。サーヤがチョコの代わりに渡したお菓子。
『サーヤに内緒で何かお返しをしたいんだな?』
『うん。そんなんだ~』
ぴゅいきゅい『『なにかない?』』
『『ぼくたちでも』』
『『『できるの~』』』
『『『『『『『きゅるるん』』』』』』』
『そうだな~』
う~ん。どうするか?今あるもんで出来そうなお菓子は、それこそこの前と同じになりそうだしな。どうするかな?今あるもの今あるもの…あっ
『あれならどうにかなるか?』ぶつぶつ
オーブンがないからバートさんが用意してくれた鉄鍋でなんとか代用して…
『え?なになに~?』
ぴゅいきゅい『『なにかあった?』』
『『おいちゃん』』
『『『おしえておしえて!』』』
『『『『『『『きゅるるん』』』』』』』
ちびっ子たちが不安と期待が混ざった目で見てくる。
『ああ。多分な。ただ、材料から集めなきゃいけないんだが、それもお前たちなら大丈夫だと思うんだ』
だが、時間はサーヤの昼寝の間…足りないな。と、思った時
『ハク、みんな、ゲン』
ギン様が現れた。
『あ~お父さん』
『ギン様』
どうしたんだ?
『ジーニ様と結葉様から伝言を預かってきた。サーヤのことはこちらに任せて、やりたいことをやりなさい。との事だ』
『え?それは…』
『ふふ…ジーニ様は神だぞ?』
そうか。ちびっ子たちが考えていることなどお見通しということか。それなら
『よし!それじゃあ急いで今からうごくぞ!フライ、フルー、妖精トリオ腕の見せどころだぞ』にやっ
是非とも美味しいのを探してもらわないとな。
『『なになに?』』
『『『いーよ!なにさがす?』』』
『え~?ぼくは~?』
ぴゅいきゅい『『フライたちだけなの?』』
『『『『『『『きゅるるんっ』』』』』』』
やる気満々のフライたち。名前を出されなかったハクたちはブーブー言ってくる。
『もちろん活躍してもらうぞ!沢山いるからな』
『ほんとう~?』
ぴゅいきゅい『『ならいっか~』』
『ああ。みんなに頼むのはな?……』
みんなに採ってきて欲しいものを伝えると…
『ふむ。ならば私も行こう。それなら群生地に心当たりがある。その他の物もその周辺にあるはずだ。なに、みんなまとめて私の背中に乗るといい。私ならすぐに着く。ハクは私の後をついてこられるか?』
『うん!ぼくがんばるよ~』
『そうか。ならば行こう。皆、しっかり私に掴まりなさい。少々急ぐからな』
まあ、シールドは張るから大丈夫だろうが、一応な。
ぴゅいきゅい『『は~い』』
『『わあっ』』
『『『こグモさんたちありがとう』』』
『『『『『『『きゅるるん♪』』』』』』』
なんと、子グモたちは落ちないように糸で繋いでくれていた。
『ありがとな』
『ふふ。では行くぞ』ザッ
『あっ!待って~』ダダっ
行ってきますのみんなの声がドップラー効果のように遠のいて行った。ギン様、お手柔らかにな。そして
『おいちゃん、これでいい?』
ぴゅいきゅい『『だいじょうぶ~?』』
『ああ。上出来だぞ』
頑張ったしな…
『『喜んでくれるかな~?』』
『『『くれるかな~?』』』
『『『『『『『きゅるるん~?』』』』』』』
『大丈夫だよ』
『ふふ。そうだな。みんなそんな姿になるまで頑張ったしな』
『『『『『えへ~?』』』』』
みんなしてサーヤが何か誤魔化す時と同じ笑い方してるな。
『くくっ』
ギン様も苦笑いだな。そう、今他の奴らがここにいたら…
コンコン……ガチャ
『『あの~』』
『きっと必要になるからと…』
『言われてきたのですが…』
『『うわあっ!?』』
そう。こんな風に悲鳴あげるよな。
『どどどど、どうしたんでしか?』
『なななな、何か爆発したんですか?』
『あ~まあまあ』
『二人とも落ち着け』
豹の兄ちゃんと、うさぎの嬢ちゃんがちびっ子たちの惨状を見て駆け寄って来た。
そう。今ちびっこ達は
『うわあっ!モモ、スイ~また飛んできたよ~』
ぴゅいきゅい『『あれ~?ごめんね~』』
『も~ぼく白いしみんなより大きいんだからね~』
ぴゅいきゅい『『えへ~?』』
『わっ!フライ真っ赤!』
『わっ!フルー真っ青!』
『きゃはは~みんなへんないろ~』
『きゃはは~ハク、いちばん~』
『きゃはは~あか?あお?むらさき?』
『『『『『『『きゅるる~ん♪』』』』』』』
『も~わらいごとじゃないよ~』
ちびっ子たちに頼んだのは小さなベリー。甘酸っぱいのと、甘いのを探してもらったのだ。あと、もうひとつの実とともに。そして、とってきてもらった実を枝から外したり、洗って貰ったりした結果、見事に
『いくつか潰したり』
『飛び散ったわけですね』
『そういうことだ』
苦笑いしながら納得された。まあ、いくつかなんてものじゃないけどな。
『くくっ。ゲン、これはこんなものでいいのか?』
『ああ。それをこの液に浸すんだよ。それで、ベリーも混ぜて焼くんだ』
『『お手伝いします!』』
『おう!助かるよ』
俺が作っていたのは玉子と砂糖と牛乳を溶いたもの。ああ、早急に泡立て器が欲しいな。オーブンも。
『これ、パンの実の中身ですね』
『そのまま食べないんですね』
『ああ。ホントのパンじゃないからちょっと不安だが、多分大丈夫だと思うんだよな。さあ、ちびっ子たちあとひと頑張りだぞ。焦げないように見張るんだ』
『焼くのは危ないですから』
『私たちが焼きますね』
『『『『『はーい』』』』』
さあ、どうなるかな?
そして、みんなで焼いたものがいい匂いをしだした頃
「うにゅうう?」くんくん
なんか、いい匂い?
〖あら、サーヤ起きたのね?〗
『うふふ。まだもう少しねんねしててもいいのよぉ?』
ジーニ様と結葉様が両側からポンポンしてきます。結局三人でお昼寝しました。
「ふにゅう~いいにおいしゅりゅ」
甘い匂い~くんくん
『あらら~』
〖これ以上はごまかせないかしらね~?〗
何が?
サーヤが匂いにつられて探しに行こうとした時
カチャカチャ…ふわぁ
音と一緒にいい匂いが近づいてきました。
『おっ?サーヤ起きたか?さては匂いにつられたな?』ニヤッ
「あい!」じゅるり
『あらぁ、バレちゃったわねぇ』くす
〖しかも自分で認めちゃったしね?〗くすくす
『サーヤ~』
ぴゅいきゅい『『おきた?』』
「ふおっ?」
みんな?
〖『まあっ』〗
『おや?すごい姿ですね?くす』
ほんとうに!どうしたのかな?なんかカラフル!
『『えへへ~』』
『『『ちょっとね~』』』
『『『『『『『きゅるるん~』』』』』』』
きゅるる『子どもたちまで』
みんなびっくりです。
『それよりこれ~』
ぴゅいきゅい『『サーヤ~』』
『『見て見て~』』
『『『どうかな~?』』』
『『『『『『『きゅるる~ん』』』』』』』
「ふえ?」
何を?
『ふっ。これだよ』
「こりぇ?」
何かな~?
「ふああああっ」
こ、これはっ
『サーヤ好きだろ?パンプディング』
そう。これはなんちゃってパンプディング。パンプディングは食が細くて硬いものがまだ食べられなかった頃にキヨさんがよく作ってやってたからな。
「ふおおっぱんぷでんぎゅ!」じゅるり
『サーヤ、これな、ハクたちみんなが作ってくれたんだぞ』
『ふふ。先日の美味しいお菓子のお礼だそうだぞ』
『はい。皆さん頑張ってましたよ』にこ
『はやく食べてあげてください』にこ
「ふおっ?」
そうなの?それでみんなあんなにカラフルなの?じゃあ早く食べなきゃ!
『そうだな、みんな席につけ。はやく食べよう!』
「あい!」
はやく♪はやく♪
『ほら、サーヤ一番に感想言ってあげないとな』
「あい。いただきましゅ」
それでは、あ~ん♪ぱくっ
『サーヤ~』
ぴゅいきゅい『『どうどう?』』
『『おいしい?』』
『『『おいしい?』』』
『『『『『『『きゅるるん?』』』』』』』
どきどきどきどき
「ん~んんんっおいちいっ!」
ほっぺ落ちちゃいそうだよ!
『ほんとう~?』
「あい!みんにゃ、あいがちょ!おいち!」
すっごいおいしいよ!
ぴゅいきゅい『『やったあ!』』
『『良かったね~』』
『『『うん!』』』
『それじゃ、ぼくたちも食べよ~♪』
みんなで体が色んな色に染まってまで作ってくれたベリー入のパンプディングとってもおいしかったです!みんな、ありがとう!
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