135 くもさんたちも?そして、精霊樹の精様の、番!だけど…
もふん。ふにゃ~ きもちい~♪お顔がもふもふ~♪
「うへへへ~ もふもふ~」
すりすり
『ふふ サーヤ~くすぐったいよ~』
なんと、今回はハクが目隠ししてくれました。もふもふ~♪しっぽもふもふ~♪
『ほら、サーヤもハクも光が収まるわよ』
『ハク~ぅ。おれの役とったなあ?』
クゥがハクをワシャワシャしながら、わざと低い声で言います。
『えへへ~いいでしょ~?ね、サーヤ』
「あい!もふもふ~」
もふもふは正義!
光が収まったので、はちさんたちを見ると、
「ふわぁ~ぁ もふもふ~きりゃきりゃ~」きらきら
女王様ことレンゲ様はもふもふ度ましまし、色も黄色ではなく金色に近くなりました。ちょっと大きくもなったかな?マフラーもさらにもふもふで、王冠も着いてます!
はたらきばちさんは、あっ!そうだ!辞書調べたら、はたらきばちさんて、みんなメスなんだって。不思議だね~。はたらきばちさんことアカシアさんは、やっぱりもふもふ度ましまし、色艶も鮮やかです。もふもふさせてくれるかな?
「れんげしゃまみょ、あかしあしゃんみょ、きりぇ~」
キラキラのもふもふ~♪
『レンゲとアカシアでよい』
「うにゅ?レンゲしゃま、おちゃべり?」
また新しい声が!
『そうだ。サーヤのおかげでしゃべれるようになった。ありがとう』
『アリガトウゴザイマス』
「お~!あかしあしゃんみょ?」
すごいすご~い。パチパチパチ拍手です!
『ハイ。デモ、マダ、ヘタ。レンシュウ、ヒツヨウ』
「しょっか~いっちょ!」
『ハイ』
またまた練習仲間が増えました!
『それでサーヤ、ワタクシも、アカシアも、名前でいい。友達であろう?』
「でみょ~」
女王様でしょ?偉いんだよね?
『友達にはなってくれぬのか?』しゅん…
悲しそうに言われてしまいました。
「ちがうにょ!おちょもぢゃち!」
だから、そんなお顔しないで!
『ならば、呼び捨てで。その方が嬉しい。な?アカシア』
『ハイ。ゼヒ。ナマエデ』
本当にいいの?それなら
「わかっちゃ~。じゃあ、れんげ、あかしあ、よりょちくにぇ~」にこにこ
『ああ。よろしく頼む』にこ
『ヨロシク』にこ
良かった!悲しいお顔無くなりました!
それじゃ、お友達ならお願いしていいかな?そわそわ
『くくくっ よいぞ。さわりたいのだろう?』
『ハイ。ドウゾ』
いいの?いいの?それじゃ
「わ~い!」ぼふん!
「ふぁぁぁあ」
もふもふ~もふもふ~♪
『うふふ サーヤ、楽しそうねぇ~』
ハッ! 精霊樹の精様!
『じゃあ、次はいよいよ私の番よねぇ~?うふふ』
こ、こわい!レンゲと、アカシアに思わずしがみつきます。
「あ、あい」
『それじゃあ、よろしくね?』
に~っこり笑ってるのにすごく怖いです。
『そ、それではの。ワタクシたちもゲンの元へ行く。がんばるのだぞ』
「ふぇ」
そんな!?
『ガンバレ』
「ふぇぇ」
行っちゃうの!?
『さ、サーヤ。頑張ってぇ♪』にこっ
「ふぇぇぇ」
誰か助けて~ぇ
『うふふふふ』
そんなこんなで、サーヤは今、追い詰められていました。何しろ一番悩んでるのに一番決まらないのが精霊樹の精様なのです。
きらきら綺麗なみどり色のイメージの精霊樹の精様。きらきらなみどりのお名前にしたいからいっぱい悩んで異世界辞書もいっぱい、いっぱい調べました。
一番好きな木の名前にしようかなと思ったけど、サーヤの一番好きな木は「桜」です。緑の桜もあるけど、やっぱりピンクのお花のイメージです。綺麗なきらきらな緑のイメージではありません。
なら、緑の葉っぱの木は?と思ったけど、「けやき」「すぎ」「ひのき」「まつ」考えれば考えるほど、ちが~う!となりました。
なら、そのまんま色は?と思ったけど、「みどり」「きみどり」「あおみどり」「ふかみどり」絶対ちが~う!
となり、それなら日本の昔の色の名前は?と思って異世界辞書を調べてみたら色見本がご丁寧に載ってました。それでこの色!と思っても名前が長かったり、地味だったりイメージが合わないのです。
逆に名前が気に入っても色がなんか違うのです。ダメダメです。
泣きながら「緑」「木」「樹」果てはまんま「精霊樹」「精霊」まで世界各国の呼び方を調べました。でも、なんか長かったり、響きが名前っぽくないのです。
だいたい発音出来る気がしません。唯一、ラテン語で「ウィリデ」という言葉がかわいいし、短い!と、思ったのに、サーヤには言えませんでした。
もう、サーヤの頭はパンクしちゃいます。もうどうすればいいか分かりません。
ごめんなさい~!と、言う話を、うお~、ふぎゃ~、うわ~ん!と叫び、踊り、転がりながら精霊樹の精様に訴えました。
さすがに地面に突っ伏して、わんわん泣いてるサーヤに、ちびっ子同盟もドン引…こほん。同情してゴロゴロには参加しませんでした。あまりの鳴き声に何事かとゲンさんやクモさん、はちさん達も戻ってきました。何があったのかジーニ様が説明しています。
キレイなかわいい名前がないよ~と泣くサーヤに精霊樹の精様は私のためにこんなに悩んで泣いてくれるなんて。と、申し訳なく思いつつ、なんていい子なの!と、嬉しく思いました。
精霊樹の精様が泣いているサーヤを抱き上げます。
背中をぽんぽんしながら、優しく話しかけます。
『サーヤ、いっぱい考えてくれたのねぇ。ありがとう』
「ひっく でみょ、きりゃきりゃにょ、みぢょりのおにゃみゃえ、にゃいにょ」
どうしよう~
『う~ん。それは困ったわねぇ。でもね?サーヤが泣くまで悩んじゃうのは悲しいわぁ~』
「でみょ、おにゃまえ、きみゃりゃにゃい。こまりゅ」
みんな決まったのに~
『そうね~、みんなにも何かいい案がないか聞いてみましょう。ね?』
「あい ぐすっ」
よしよしと、ぽんぽんされました。
『と、言うわけで何かいい案ないかしらぁ?』
精霊樹の精様がおいちゃんに聞きます。
『緑の漢字は他に読み方ないんですか?私たちみたいに』
フゥがおいちゃんに聞きます。フゥとクゥは風と空からとったもんね。
『ん~「緑」なら「みどり」「りょく」とか、字が違う「翠」だと「すい」になっちまうから、スイと同じになっちまうしなぁ。おそらくそれで却下になったんだろなぁ』
「あい」
そうなのです。
『緑のキラキラかぁ…サーヤ、「翡翠」はどうだ?サーヤ好きだっただろ?』
おいちゃんが何気なく言った言葉だったけれど、なぜかサーヤの顔がみるみる内に今まで見た事のない顔になった。
感情が一切分からない【無】になったのだ。
みんなが一斉に息を飲んだ。見たことのないサーヤ。明らかに普通ではない。
「『ひすい』はダメ。おばあちゃんのいち」
無表情のまま、サーヤが言う。
『サーヤ?翡翠はダメってどういう意味だ?』
おいちゃんが問いただすが
「ひすいは、おばあちゃん。だかりゃ、だめ」
同じことを繰り返すだけ。
〖翡翠はおばあちゃん?どういう意味かしら?〗
『さあ、ですが重要なことのようですね』
サーヤに問たいが、今は固唾を飲んで見守るしかない。
悩んでいたおいちゃんがハッとします。
『サーヤ、おばあちゃんのお守り、翡翠の勾玉覚えてるか?』
「おみゃみょり?おぼえて…」
サーヤが頭を痛そうに抑え始めた。
『サーヤ、サーヤ?』
おいちゃんが慌ててサーヤを呼ぶが、ジーニ様が無言でおいちゃんを押さえる。
そしてサーヤを撫でながらに話しかける。その手はうっすら光っていた。
〖サーヤ、サーヤ大丈夫?聞こえる?サーヤ?〗
サーヤの目に光が戻ってきた。
〖サーヤ?大丈夫?〗
「?だいじぶ。みんにゃ、どちちゃの?」
みんなが心配そうに覗き込んでくるのを不思議に思うサーヤ。
『サー…』
アルコン様がサーヤを呼ぼうとしたおいちゃんの肩を掴んで首を振る。おいちゃんは渋々それに従ってジーニ様に託した。
〖サーヤ、今ゲンと何を話してたか覚えてる?〗
相変わらずうっすら光る手でサーヤを撫でるジーニ様。
「うにゅ?なんだっけ?」
何してたっけ?おかしいな…
〖そう。ならいいの〗
「おにゃみゃえ、かんがえにゃきゃ」
〖そうね。何がいいかしらね〗
戻ってきたサーヤにほっとしたが、みんな動揺を隠せない。特にちびっ子同盟達は。それに気づいたおいちゃんや、大人たちが目配せをして、行動に移した。
『それじゃあ、名付けはみんなにお願いして、俺は作業の続きに戻るな!ちびっ子同盟たち、一緒に手伝ってくれ』
わざと明るくゲンさんが声をかける。
『う、うん』
ぴゅいきゅい『『で、でもぉ』』
でも、ハクたちは返事はするもののどうしていいか分からずキョロキョロしている。それを見て父親たちが
『ハク、行ってきなさい』
『モモとスイも行ってきなさい』
大人たちに言われてちびっ子同盟たちは
『分かった~』
ぴゅいきゅい『『行ってくるね』』
『サーヤ』
『後でね』
『『『がんばって~』』』
と、迷いながらもおいちゃんに従う。
「まちゃあちょぢぇにぇ~」と手を振るサーヤに手を振り返した。
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お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m
今週はちょっとシリアスさんが混ざるかも?
そして、今週はちょっとやらなきゃいけないことが💦
毎日更新止まったらすみません💦