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ある日のひな祭り日記 番外編

本日2話目の更新です。よろしくお願いしますm(_ _)m
☆。.:*・゜☆。.:*・゜

『あかりをつけましょ♪』
「ぼんぼりに~♪」
『おはなをあげましょ♪』
「ももにょ…の、はにゃ~♪」
『ごーにんばやしの♪』
「ふえちゃいこ~♪」
『きょ~うはたのしい♪』
「ひ、な、まちゅり~♪」

おいちゃんとサーヤが何やら交代で歌いながら手元は何かをしています。

『ん~、まあまあかな?普段の話し方よりは少し直ったか?』
「あい~」ふい~
疲れた~とばかりに額の汗(かいてない)を拭うサーヤ。

『普段の話し方も少しずつ直そうな。まずは自分の名前をちゃんと言えるようにしような』
「あい。さーにゃ、さーに、や、さーにゃにゃにゃ…」ありゃ?
『にゃにゃにゃ?うん、まあ、頑張ろうな』
「あい…」
あっ、サーヤが少し落ち込んだ。

『サーヤ~、おいちゃ~ん』
ぴゅいきゅい『『なにしてるの~?』』
『『いまのなぁに~?』』
『『『それもなに~?』』』
ちびっ子たちもやって来ました。ふるー、フライはお歌のことが、そして、妖精トリオはサーヤたちがさっきから作っている物が気になるようです。あっ、みんなもか。目はサーヤたちの手元を向いています。

『さっきのはな、ひな祭りの歌だな』
おいちゃんが簡単に説明すると

〖ひなまつり?〗
『そもそもそれが何かしらぁ?』
ジーニ様と精霊樹の精様がもっと詳しくと、やって来ました。あっ、みんな来てます。いつの間にかサーヤたちはぐるっと囲まれて、みんなの目線はサーヤたちの手元に注がれています。

『そっか、ひな祭りは当然こっちじゃないか。ひな祭りってのは、女の子の健やかな成長を願うお祭りでな?雛人形を飾ったり、雛あられとか、菱餅とか飾ったり食べたりな』
「ちらしじゅし、おしゅいもにょ、さくりゃもち、あまじゃけ…」じゅるり
『ああ、そうだな。サーヤのとこはちらし寿司と、はまぐりのお吸い物、桜餅に、白酒の代わりに甘酒が定番だったな』
「あい。ひにゃありゃれ、ぽりぽり。おこりゃれりゅ…」しゅん…
『そりゃ、サーヤが我慢できなくて飾ってあるのを盗み食いするからだろ?』
「……しょうちょもゆー」ぷいっ
『そうとしか言わないだろ』はあっ
おいちゃんとサーヤが説明?する。

『うん。サーヤにとっては美味しいものが食べられる日なのね』
『話の半分以上、口の周り光らせてたしな』
フゥとクゥがうんうん。と、頷きながら言うと

「ちやう!おにんぎょみょ、だいじ!」
サーヤがそう言って明らかに作りかけの何かを持ち上げて見せます。

『サーヤ、それは何だ?』
『さっきから作ってるな』
アルコン様とギン様もサーヤが見せてくるものをじーっと見てます。

「おひにゃしゃま!」
〖お雛様?〗
ジーニ様がこれが?って聞いてます。

『ちゃんとした雛人形は用意できないからな、サーヤのお道具箱に入ってた折り紙を思い出してな?それで今、折り紙で雛人形を作ってるんだよ』
「しょう!」
頑張って作成中です!
『そうなのですね。それにしてもゲンが作ってる物とサーヤが作ってる物は随分違うようですが?』
バートさんが見比べながら言うと、
『折り紙ってのはな、同じものでも色んな折り方があるんだよ。サーヤが折ってるのは小さい子でも折れる簡単なやつだな。俺のは、もう少し手が込んでる折り方なんだよ。あと、ぼんぼりとか、三人官女とか、色々作ろうかと思ってな』
そう言いながらおいちゃんの手は高速で動き、合間合間に、サーヤに折り方を教えています。

『ねえねえ、おいちゃん。そのひな祭りやるの~?』
『ん?そうだな。飾りだけでもしてやろうかと思ってな』
ハクの質問においちゃんが応えると
ぴゅい『『じゃあさ、じゃあさ』』
『『何かお手伝い出来ることない~?』』
『『『おいしいのたべた~い』』』
サーヤのさっきのキラキラなお口を見たちびっ子たち。ちびっこ達はお人形より美味しいものに興味津々。妖精トリオに至っては実に欲望に忠実です。

『んん?そうだな~でも、材料がな?どうするかな…』う~ん、と考え込むおいちゃん。
『あっそうだ。フルー、フライ、妖精トリオちょっと』
『『ん?』』
『『『なに~?』』』
『うん、ちょっと耳貸してな…』コソコソコソ
何やらおいちゃんがナイショ話してます。

『『うんうん』』
『だいじょうぶ!』
『しってる!』
『まってて!』
『そうか!じゃあ頼むな!』ニカッ
『『了解!』』ビシッ
『『『まっかせて!!』』』エッヘン!
おいちゃんとフルーたちで何やら話がついたようです。
「うにゅ?」
『ええ?なになに~?』
ぴゅいきゅい『『どうしたの?』』
サーヤたち置いてけぼりです。

『『えへへ。まだ内緒♪』』
『『『ハクたち、いこう!』』』
『ええ~なに?』
ぴゅいきゅい『『どこに?』』
フルーたちがハクたちを引っ張って森に行こうとしてるみたいです。
「う?」
サーヤは?
『サーヤは、ここで折り紙完成させような』
「あい」
そうだね。

『じゃあ、ちびっこ達には私がついて行こうかしらぁ。うふふ』
『え?精霊樹の精様、わたしたちが』
『そうです。おれたちが』
フゥとクゥが行くと言うと

『大丈夫よぉ。フゥたちは多分こっちで必要になると思うのよぉ。そうね、ギンとアルコンも一緒に行きましょ~』
『『え?』』
『そうだな。我も子らと森の探索でもしてこよう』
『そうですね。私も行きましょう』
『わ~い♪お父さんたちも行くの?』
ぴゅいきゅい『『やったー!』』
『『それじゃあ』』
『『『しゅっぱーつ!』』』
そんなこんなで賑やかにちびっこ達は森の中に。何しに行ったのかな?

『よし!サーヤ、おれたちはこれを完成させるぞ!それで、何とかあるものでひな祭りっぽい飯を作るか!』
「おーっ!」
やったー!
『『お手伝いします!』』しゅたっ!
うさちゃんのおねえちゃんと、豹のお兄ちゃんがしゅたっと現れました。
『あっ、わたしたちも』
『手伝うよ』
フゥとクゥもお手伝い決定です。
『おう!頼むな!』ニカッ

〖あらあら?何か楽しそうなことになって来たわね~〗
『では、私は泉の住人たちに声をかけてきましょうか』
みんなが動き出しました。

はちさんたちは、蜂蜜を集めに、くもさんたちは器用に足を使って折り紙で一緒にお雛様作りを手伝ってくれてます。サーヤより上手…

そして、

「お~ひなだん、しゅご~」
お人形は折り紙なのに、立派な七段飾りが…
〖凄いわね…これ、お花かしら〗
うん。それ、桜と橘だね~
『男の人か女の人かも分かるのねぇ~。どれも、あの四角い紙からできてるのよねぇ?』
そうだよ~色だけじゃなくて、ちょっと折り方も違うんだよ
『これ、何か楽器を演奏してますね』
五人囃子だね~楽器も折り紙だよ

『こっちのサーヤが作ったのも可愛いわよ』
『そうだな。ほのぼのするな』
「えへへ~♪」
フゥとクゥが褒めてくれました。やった~♪
サーヤのはお雛様とお内裏様。あとは、屏風と、ぼんぼり作りました。えへへ。

『頑張った甲斐があったな!サーヤ』
「あい!」
『さあ、そんじゃ、飯だぞ~』
「わ~い♪」
ご飯何かな~?

『雛人形風おにぎりだぞ。たまごを薄焼きにしてな、三角おにぎりに着せてあるんだぞ』
「ふおおおおお!」
可愛い!黄色いおにぎりです!
『あと、これだな』
「ふあ?おはにゃ?」
サラダにちっちゃくて色んな色の可愛いお花がいっぱいです!
『うふふ。この子達ががんばったのよぉ。ねぇ?』
『『えへへ~』』
『『『さがすのとくい!えっへん!』』』
「ふお?」
可愛いお花、フルーとフライと妖精トリオが探してくれたの?

『そうなんだよ~。そのお花食べられるんだよ~』
ぴゅいきゅい『『あまいの~♪』』
『そうだな。フルーたちが探してくれてな』
『我らも手伝って集めたのだ』
そうなんだ~
「あいがちょ~」
大事に食べなきゃね~

『果物も一緒に取ってきてくれたらな。サラダに一緒に入れたんだ。かわいいだろ?』
『『おいちゃんがね』』
『たべられるおはな』
『さがしてきてって』
『だからみつけたんだよ』
なるほど、さっきこそこそしてたのはこれだったんだね?

『そうだな。でも、想像以上に美味い花だったぞ』
それは楽しみだね!
『よし!じゃあ、みんなで食べよう!』
「あい!」
『次の時はもっと色々出来るようにしような!』
「あい!」

異世界でひな祭り!今あるもので頑張って作るのも楽しいよね!次はどうなるかな?


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お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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