風神仏に化ければ感染症対策のために人が集まるのではないか
風は古くから信仰の対象だった。
風神の図像の元になった、俵屋宗達の風神雷神図は、一説には左遷された菅原道真が復讐しにくるという北野天神縁起絵巻が起源である。
風には風邪や感染症という意味がある。
江戸時代に「風神払」という、乞食の一種とされる人たちが出没した。
お面をかぶり、太鼓を打ち鳴らして踊り、疫病を払うためといって金をせびるのだ。
今のご時世に「風神払」をすれば商売になるかもしれない。
近所の商店街で「チンドン屋」がよく出没する。
この人たちが「風神払」に化ければ、感染症対策のために人が集まるのではないだろうか。
生まれ育った埼玉県北部では、冬に赤城颪という猛烈な風が吹いた。
向かい風では自転車が進まず、追い風ではスピードが出すぎるのでブレーキをかけ続ける、という具合である。
また田畑の土や石を舞いあげるので、散弾銃のように体に石を打ちつけられる。
小学生のときは片道3kmの道のりを歩いて通ったので、赤城颪の厳しさが心に残っている。