接近
りさとかいとは歩いてスタジオに帰ってきた
二人がスタジオのドアを開けるとスタッフとメンバーりさに優しい笑顔で笑いかけた
一方、かいとはみんなをやな顔をしながら見て一人で奥の場所に座った
メンバーの一人であるきりおがりさに笑顔で言う
(りささん、かいとと一緒にラーメン食いに行ったの)
りさはドキドキしながら答えた
(あー、うん、行ったよ、私は豚骨ラーメンと餃子食べた)
スタッフの一人が言う
(へーそうなんだ、あの店のラーメンと餃子美味しいでしょう、俺もたまに食いにいくよ、俺はワンタン麺好きだな)
いつの間にかラーメンの話題でみんな盛り上がっていた
ゆきなは言う
(あーでもね、ラーメンならもっと美味しい店あるよ、領国の駅の近くにある熊王ラーメン
あそこのラーメンは最高だね、食べたことある
りささん)
りさは(熊王ラーメン、美味しいの)
りさは好奇心旺盛に言った
ゆきなは熱を込めて答えた
(そうだねー、全国にはいろんな美味しいラーメン屋があるけど、あれほどうまいラーメンは珍しいかもね
じゃあさ、今度俺と一緒に食べに行かない
俺、おごるよ)
とゆきなはりさをデートにさりげなく誘った
みんなは(お前、なに、口説いてんだよ、バカ)
と大笑いした
りさは美少年に口説かれて内心、ドキドキしていた
それを聞いたかいとはイライラしながら言う
(熊王ラーメン、本当に美味しいのかよ、その店、まーさっき食べたラーメンよりは劣るんだろうけど)
その場の空気が一瞬で凍りついた
りさは心臓がバクバクしながら(なんでこーなるの、かいと、何がそんなに不満なの)
と焦りだした
当然、自分の一番お気に入りのお店をバカにされてゆきなが黙っているわけがなかった
ゆきなの秀麗な顔は怒りで頬がピクピクしており、目がとても冷めた冷たい目をしていた
みんなはなんか今度こそ本当にヤバいなと思いながら凍りついた
ゆきなはゆっくりとかいとを見ると言う
(あっ、お前、今、なんか言った)
かいとはゆきなの顔をバカにしたような目で見た
かいとは(べつに、なんにもいってないけど)と言う
リーダーのなおとはゆきなを静止しながらちょっとこっちにこいよ)と言って二人を話すために別の部屋に行く
ゆきなは部屋に連れていかれながら(やってらんねーよ、あんなヤツと)と大声で言いながら離れた
一瞬即発な事態にきりとだけが冷静な態度をとっていた
りさがおたおたしながらかいとになにか言おうとすると、きりとがりさの腕を掴んできりとは自分の左手の指を一本たてて口に当ててしーとうながした
りさはとりあえず座って冷静になろうとする
スタッフたちもそれで冷静さを取り戻した