第4話 アイカの不満(5)
いくら麗しい高貴な女性が、自分自身に、優艶に戯れてくる漢戦士──。
まあ、多分? 騎士若しくは、近衛隊長とでも呼んだ方がいい者。己の騎士(ナイト)に対して、「はぁ~」、「つ、う~」と、吐息交じりで諫め。直ちに自分、高貴な私に優艶に甘え、戯れるな、離れろと、諫めても。騎士(ナイト)は。この高貴な女性。この軍勢、大軍を統括する緑の肌を持つ大変に煌びやかな冠や、彼女の豊満な胸、乳房まで垂れ下がり、覆い隠すような首飾りネックレスを多々装着、己を高貴、艶やか、優艶に着飾る。
そう、この女王、女性(女)は、元々自分の物、女性(所有物)だったのだと主張する。するのだ。
だから自分の女(物)に触れ触り、甘えるだけだから問題はない。問題はないのだから。騎士(ナイト)はもっと優艶に甘えさせろとせがむ、だけではい。
この軍勢を指揮する者の一人である女王へと、己、彼女にも騎士(ナイト)である自分にしな垂れかかり。
そう、昔、過去のこと。淡くて甘く官能的だった日々、二人で仲良く戯れていた頃のように甘えてこい。くるようにと告げ、呟くのだ。