第3話 ダークエルフとエルフのシャーマン(39)
そう、先程不本意ながらも伏兵をしていた此の国の女王アイカの一族の者。領主、酋長であるウルハとライザの二名なのだが。プラウムとサラの、若い二人のエルフ娘の様子……。彼女達に言わせれば【男漁り】、【オス漁り】を横目で凝視して、『フン!』と、鼻息荒くしながら。させながら。「いくよ~」と、不快感を募らせた声音で叫び、己の領内、集落のオークの戦士達へと下知を下せば。
「おぉ、おおお~!」
「ああ~」
「あいよ~」
「長~」
「姉さん~」
「あねご~」
「みんな~。いくよ~」
「おい~。みんな~。いくぞ~」
まあ、こんな感じだよ。男女問わずオーク種族の戦士達が、己の使える酋長、姫巫女、シャーマンの甲高い下知に続くように言葉を返す。上げるのだよ。
でッ、そのまま帰還──。自分達が住み暮らす領地、集落へと帰還、帰途へとつく。相変わらず『ヘラヘラ』、苦笑を続けながら。
そう、同じ此の国に暮らす者達ではあるのだが、プラウムとサラが率いる部隊は、他種族、他領地、他集落の者達だから。友好的では無い。どちらかと言えば? 敵にも等しい相手にもなる。