第3話 ダークエルフとエルフのシャーマン(30)
だってサラとプラウムの二人は、肌の色こそ違うのだが、実の姉妹でもあり。ライバルでもある。
ましてや? この二人の持つ領地は姉妹と言うこともあり隣合わせだから。良く争い。小競り合い……。
そう、川、水の権利や所領のことで、両者の領民達が揉めることが度々あるので、良く小競り合い。紛争を多々起こしているものだから。
同じ母から産まれた姉妹だと言っても、お互いが、仲が良いと言う訳ではなく。
どちらかと言えば? 不仲──仲の悪い姉妹になるのだよ。
サラとプラウムの二人はね。だからこの通り。
サラは自身の家臣達が、己の身を削りながら奮闘をして、敗走させたミノタウロスの戦士達を、自身の姉であるプラウムが漁夫の利を得るように。
そう、敵であったミノタウロスの漢戦士達を己の持つ、女神のような美貌と肢体──。雪のような柔肌を魅せつけ、傀儡、下僕──。
自身に平伏せ、臣下に加えようと試みるのが面白くはない。ないのだ。