第3話 ダークエルフとエルフのシャーマン(31)
だから彼女──。日の本の重武装鎧を中に肌襦袢や着物を着衣する訳でもなく。己の持つ妖艶、官能的な褐色の色をした肌を曝け出しながら無造作に着込んでいるダークエルフの少女──。
そう、優秀! 勇敢! 勇んだ戦姫である筈のサラ自身も、姉のする所業は面白くはないので、自身の美しい顔を引き攣り、強張らせ、恐ろしい形相へと、美しい顔を変えてしまうのだよ。
ついついと、自身の姉であるプラウムがすること……。男漁り、ではないね。(笑)
自身の今後の手足、刃、盾となってくれる下僕、臣下集めの様子をサラ自身も己の顔を強張らせ、不愉快、不満のある顔で凝視し続けていても致し方がないと思い出す。
「(このまま、プラウム姉ばかりに臣下。家臣集めをさせていたら。プライム姉の所領ばかりが力を増すばかりになる。と、言う事だから。プライム姉のオス漁りを放置させておく訳にはいかない)」とね。
またサラ自身もこう思えば、己の強張り引き攣りさせた恐ろしい形相から。「フフフ~」と笑みを浮かべだす。
そう、この大陸ではサラ一人しかいないダークエルフの巫女、シャーマンである自分の妖艶、優艶な容姿を、彼女は艶やかな笑みを浮かべながら。敗走し、逃走を続けるミノタウロスの戦士達──。姉のプラウム嬢と一緒で、ミノタウロスのオス達へと優しく甘く官能的な声音で。
「サラから逃走を計るミノタウロスの戦士達よ~! これ以上の戦~! 争いは~! もう無意味~! 無意味だからぁ~! 直ちに逃走をする行為やめて~! サラに降伏──! サラの足元に平伏し~! 平伏~! 臣下へと加わりなさい~! そうすれば~。貴方達の今の地位も含めて~。命の保証もする~。するから~。直ちに~。逃走をやめて~。サラの許へと集いなさい~」
と、告げる。