第10話 目覚めてみると? (1)
〈チュン、チュン〉
〈チュン、チュン、チュン〉
〈チュ~ン!〉と。
鳥の鳴き声、囀り、だと思う。思われる声音、音色が、私に耳に聞こえてくる。来たのだ。
「うっ、ううう……」
頭が痛い。痛い。痛いよ……。
そう、まるで? お酒の後……。大変に暴飲暴食……。
特に自身のお腹、腸(はらわた)へと、沢山のお酒を樽の底が見える程皆で?
そう、自身の臣下、家臣、部下、一般の兵達と、男女交えて宴──。
それも? 勝利の美酒に酔いしれた時の朝……。
己の記憶──。
昨晩、自分自身が、戦勝、勝利の宴の後半……。終焉の頃の記憶がなく。朝目覚めれば、というか?
私の隣に異性……。知らない男性(ひと)が寝ていないか?
それも? 私共々裸体。産まれたままの姿で抱き合うように睡眠をとる。してはいないかと?
横になる。横たわっている自身の肢体、ではなく。
己の頭だけ、恐る恐ると動かし確認をとるときの朝──早朝に良く似ているから。
私は昨晩、臣下、部下、兵達と宴、お酒を飲み干したのかな? と、思いながら。
己の頭を恐る恐ると動かして確認をしてみたが。
生娘である私の顔の真正面には異性──男性の顔が無い。無いから。
『ホッ』と、胸を撫でおろし安堵した。したのだ。