第9話 帰宅(4)
まあ、こういった仕様の事情がある。あるからね。僕の愛車。仕事の相棒、パートナーであるマツダのボンゴだからさぁ、居城性もさることながら乗り心地も大変に良く無い。無いのだ。
特にあの頃の道路事情……。昭和の終わりが、世紀末が近い頃の道路の路面の状態……。アスファルトの表面等もデコボコな状態でね。
今の令和の時代のように、道路の表面舗装をちゃんとされていない場所が、中国山地の山の中から広島市の街並みまでの帰宅コースには多々ある。あったのだ。
だから路面が悪い場所、所を、僕の愛車、マツダのボンゴカスタムエアロ仕様が、勢い良く早く走行をすれば、するほど。車体、車両が。
〈ド~ン! ド~ン!〉と
大きな音と、車内へと激しい振動を伝えながら跳ねる。跳ねるのだ。
〈パ~ン! バン!〉と。
更に大きな音と振動を車内──。運転座席で運転、走行させている僕に伝わるぐらいだから。