第9話 帰宅(1)
「ふぅ、やっと着いた。着いた……」
と、思わず声──。
そう、安堵感から声を、独り言を、ついついと漏らす。漏らしてしまう僕なのだよ。
だってさ? やっと僕が一人暮らしをしているアパートの駐車場へと到着──帰宅をして安堵感に浸る僕なのだが……。
う~ん、実はね?
ここまでの道のり。
そう僕と、只今も後部座席で横になる。なっている状態の金髪ロングに大きな笹耳を持つ宇宙人な女性、彼女なのだが。今は先程の場所……。僕と、宇宙人的な彼女とが、最初に出逢った場所である。中国山地の山の中にある農協の購買部で出逢った時よりも、彼女の息遣いは荒々しくない。ない状態で、正常な息遣いをしているように見えるから安心──安堵感に浸る僕なのだが。農協の購買部からここまで。僕が独り暮らしをしているアパートへ帰宅するまでの時間なのだが。大体……というか?
おおよそ? 約? 二時間半から三時間近くまで経緯時間がかかる。かかるから僕は、愛車のボンゴエアロカスタムを運転する行為に対して細心の注意をはらいながら運転。走行をしたのだよ。
だってさ? と、いうか?
営業車タイプのワゴン車の後部座席に座ったことのある人達にならわかる。理解ができると思うのだが。
営業車タイプの車の後部座席のシートは基本固い──。自家用車のような柔らかいシートやスプリングは装着されていない状態、だけでないね?