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第5話 真冬の怪奇?(9)

「で、でたぁあああ~。だ、誰かぁあああ~。誰かぁあああ~。助けてぇえええ~。助けてぇえええ~。お願い。お願いだからぁあああ~!」と。

 僕は気が触れたように声を大にして叫び、絶叫、助けを乞う。乞うてしまったのだ。

 それも? 何度も、何度も、同じ言葉、台詞を叫び、吐く。放つ、を繰り返した。

 でも、こんな山奥。中国山地の頂上付近に近い。小さな町。過疎化も進んでいる。高齢者の多いい町にある農協の購買部だから。陽が落ち。辺りが暗闇。漆黒の闇に覆われた空間になれば、歩く、歩行をする者等いなくなる静かな場所だからね。当たり前の如く。誰もこない。きてはくれないのだ。

 それでも僕は畏怖。恐れ慄き、震えあがっている状態だから。

「うわぁ、あああ~。助けて~。助けて~。誰かお願い。お願いします~」と。

 絶叫をあげながら嘆願、助けを乞い叫ぶのだ。

 すると?


「ううう、た、助けて、お、お願い。お願いだから。助けて……。た、頼むから。だ、誰でもいい……。み、水をください。お願いします……」

 こんな声色、台詞。

 そう、女性の悲痛な声音の助けの叫びが、ではくて。囁きが。

 僕の後方、背から。寄りかかる女性の口から僕の耳へと生温かい吐息と共に囁かれたのだ。


 ◇◇◇◇◇

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