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思わず本音を口にだす

こうすけはゆまとに言う

(あー本当にありがとうな、みんな、さっ、あがって、あがって)

まゆとたちは(じゃあ、おじゃまします)
と言って笑顔でリビングに行った

ともみはみんなに紅茶と冷蔵庫からロールケーキを切り分けた出した

みんなは紅茶とロールケーキを食べながら話す

ゆまと

(ところで何時頃に行くんだ、東京に)

あきひろは(後、30分ほどで引っ越しやが来ると思うんだ、そしたら荷物を積んで行くよ)

みふゆ

(えーせっかく今来たのに早すぎるよ、もう少しいなよ、あきひろ)

あきひろは笑いながら言う

(あーゴメン、みふゆ、そうしたいんだけどさ、引っ越し屋さんも時間で来てくれるからそういう訳にはいかないんだよ)

みんなが楽しく笑っているともきだけは苦笑いをしていた

ともきは言う

(しかしさ、あきひろがもう、当分帰って来ないならつまんないな、俺も行こうかな)

それを聞いたあきひろは胸がキュンと高まった

ゆまとは何いってんだ、お前はと言って笑った

みふゆも笑いながら言う

(そーだよ、お兄ちゃん、いくらあきひろが東京いってしばらくあえなくなるからって、だいたい、お兄ちゃん、学校あるじやない)
と笑った

ともきは(わかってるよ、冗談だよ)

と言ったが内心は不安でいっぱいだった


明らかに困った顔をしていた

あきひろは何かたまらない気持ちになりながらちょっと二階の荷物をみてくるよ、忘れ物があったら困るしさ)

と言って、その場を去った

あきひろが二階に行くとドアを開けて部屋に入った

部屋に入るとドアを閉めて苦しそうな顔をしながら胸に手を当てた

思い出がよみがえってきた

あきひろは誰にも言えない秘密があった

それは彼が女性ではなく男子を愛してしまうことであった


しかし、この秘密は今まで誰にも相談出来ないまま、苦しい思いをしながら耐え続けていたのだ

そしてあきひろはよりにょって、ともきを内心愛していた

しかし、こんな事がばれたら大変な事になってしまう

あきひろは一刻も早くこの家から抜け出したかった

そんな事を考えているとドアがコンコンと叩かれた

あきひろはあわてて冷静さを取り戻すとドアを開ける


ドアの前にはともきがいた

あきひろは胸が引き裂かれる思いで笑って言った

(どうした、ともき、引っ越し屋が来たのか)

ともきは少し困ったような顔をしながら言う

(いや、引っ越し屋はまだ来てないよ、ちょっと話さない)と言って部屋の中に入りドアを閉めた

あきひろとともきはしばらく無言のまま、いた


あきひろが言う

(なんだよ、後少しだけだからな、俺がいるのもさ)

ともきはあきひろを見るとビクビクしながら話はじめた

(なぁ、あきひろ、楽しかったな、みふゆと俺とあきひろで遊んでたあの頃は)

あきひろは遠い記憶を思い出しながら
(そうだな、本当にたのしかったな、でもさ、近いうちにまた帰ってくるよ、俺)

ともきは遠い目をしながら答えた

(そうだな、むこうに行ったら大変だろうけど、たまにはさ、俺のところにも電気してこいよ、なんかさ、悩み事でもできたらきいてやるからよ)

あきひろは(悩み事か)と言って深いため息を漏らしながら悲しい顔をした


ともきはあきひろを見て言う
(なんだよ、そんな顔をしてさ、今何か悩み事でもあんの、もう、行くんだから話すなら今のうちだよ)と顔を赤らめながら言った

あきひろは思わず本音を言いそうになった
すんでのところで言葉を呑み込んだ

それを見たともきは言う
(なんだよ、俺ってそんなに信用なかったんだ、でもさ、俺はいつだってあきひろの味方だよ、あきひろは一番、大切なんだからさ)

と言って切なそうな顔を見せた


あきひろは我慢できなくなり本音をを言ってしまった

(俺だって、お前の事が一番大切だよ)

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