45章 メンタル回復
二〇日ほどの休養を取ったことで、メンタルは完全回復することとなった。
アカネは大半を「なごみや」で過ごしていた。いろいろな動物と過ごすだけで、心から癒された。
動物たちはしっかりとエサを与えられるようになったことで、従来の元気を取り戻すこととなる。その様子を見ているだけで、アカネは幸せな気分になれた。
動物たちが元気になったことで、来客数も増えることとなった。動物好きが行列を作り、一時間待ち、二時間待ちの店に様変わりする。「セカンドライフの街」には、たくさんのペット好きがいるのを感じた。
あまりに繁盛したためか、一回当たりの利用時間に制限を設けられることとなる。一般客は一回あたり、一時間までに変更された。
アカネは店を立て直した貢献者ということで、利用時間の制限はない。好きなだけ動物と触れ合うことができる。特権を利用して、10時間くらいいることも珍しくなかった。
特別扱いされていることに対して、不満の声は上がっていない。「セカンドライフの街」の英雄であること、店を救ったことなどが考慮された格好だ。
動物のいいところは、人間よりも飽きにくいところ。一〇時間、二〇時間であっても、一緒にいることができる。
ミライは「なごみや」に専念するようになった。過労から解放されたからか、顔色はよくなりつつある。
満足にご飯を食べているからか、青くなっていた顔色は自然の色に戻りつつある。彼女の元気な笑顔を見ているだけで、エネルギーをもらえるかのようだった。
アカネが同じ日に利用した、「心の癒し屋」は業績不振で倒産。年配者に人気があったものの、従業員を支えることはできなかったようだ。500人も雇えば、人件費は重くのしかかる。身
の丈に合った経営が必要となる。
社長は借金のために、牢獄に閉じ込められた。金額も大きかったことから、100年以上の強制
労働になるとのこと。地上の空気を吸う権利を永久的に失うこととなった。
アカネの来店が一週間遅れていたら、「なごみや」も倒産していた可能性もある。あのタイミングで足を運んだのは、一生懸命生きようとしたことに対する御褒美なのかな。天は頑張った人間を見捨てなかった。